日本宗教学会

日本宗教学会：日本の宗教研究を牽引する学会

日本宗教学会は、1930年の設立以来、日本の宗教研究において中心的な役割を果たしてきた学会です。哲学系学会としては国内有数の規模を誇り、会員数は1600名を超えます。日本哲学系諸学会連合や日本宗教研究諸学会連合といった主要な学術団体に所属し、国際的な学術ネットワークにも積極的に参加しています。具体的には、国際宗教史学会（IAHR）の会員として、国際的な研究交流にも貢献しています。また、日本学術会議協力学術研究団体としての活動も展開しています。東京都文京区に事務局を置いています。

会設立の背景と初期の活動

日本宗教学会の設立は、日本の近代化の中で、大学における宗教学講座の設置や、仏教、キリスト教、神道系の大学設立といった社会情勢と深く関わっています。当時の宗教学者増加という状況も設立の背景の一つです。複数の研究者によれば、設立には日本共産党の反宗教運動への対応や、政府による社会主義運動抑止への期待もあったとされています。

第1回大会は、東京帝国大学宗教学講座創設25周年記念事業として開催され、初代会長には姉崎正治東京帝国大学教授が就任しました。この大会は、日本の宗教学研究の新たな展開を示唆するものでした。

戦後の活動と社会貢献

戦後、日本宗教学会は九学会連合（当時八学会連合）に加わり、全国規模の宗教に関する社会学的調査を実施しました。また、1952年には「宗教と教育に関する委員会」、1955年には「教育教養委員会」（後に前委員会と統合）を設置し、宗教教育に関する政策提言や調査研究活動を行いました。これらの活動は、日本の宗教教育研究に大きな影響を与え、「宗教と教育に関する委員会」の活動は、日本の宗教教育研究における重要な基盤となったと評価されています。

学術誌の発行と情報発信

日本宗教学会は、宗教研究会から引き継いだ『宗教研究』誌を1937年から継続して発行しています。これは日本の宗教学研究の成果を広く発信する重要な媒体となっています。さらに、2011年には英語による学術誌『Religious Studies in Japan』を創刊し、国際的な研究交流の促進にも貢献しています。

情報漏洩問題への対応

近年、日本宗教学会は情報漏洩問題に直面しています。2006年には会員の個人情報がWinnyを通じて流出し、2013年にはウェブサイトの不備により個人情報が漏洩する事件が発生しました。これらの事件を受けて、情報セキュリティ対策の強化が求められています。

今後の展望

日本宗教学会は、今後も日本の宗教研究の中心的な存在として、学術研究の推進、研究成果の発信、そして社会貢献を継続していくことが期待されています。情報セキュリティ対策の強化とともに、時代の変化に対応した新たな活動の展開も必要とされています。宗教研究の進展、宗教教育への積極的な関与、そして国際的な学術交流の促進など、その活動は多岐に渡り、日本の社会と文化に貢献しています。今後の活動にも期待が寄せられています。

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