日本放送協会放送局の一覧

NHK放送局一覧

日本放送協会（NHK）は、公共放送としての役割を果たすため、日本国内の各地域に放送局を設置しています。全国には東京都を管轄する首都圏局を含め、計54の放送局が存在し、それぞれの地域に根ざした放送サービスを提供しています。

これらの放送局は、地域におけるNHKの活動拠点であり、取材、番組制作、編成、視聴者対応、受信料関連業務など多岐にわたる業務を担っています。組織体制は階層化されており、各地域ブロックには中心的な役割を果たす「拠点放送局」が置かれ、その下に複数の「地方放送局」が配置されています。また、より小規模な取材拠点として「支局」も存在します。

組織体制は時代の変化に合わせて度々見直されてきました。かつて「拠点放送局」と呼ばれていた名称は、2019年の組織改正で一旦「拠点放送局」に改称されましたが、2022年には再び「放送局」に戻されています。関東甲信越地方においては、長らく本部が管轄する形でしたが、地域サービス強化のために2020年に「首都圏局」が新設され、この地域の拠点局としての機能を持つようになりました。

各放送局の内部組織も再編が進んでいます。多くの拠点放送局では、「経営管理センター」「コンテンツセンター」「視聴者リレーションセンター」の3センター制を採用しています。一方、地方放送局の多くは「経営管理企画センター」「コンテンツセンター」の2センター制を基本としています。ただし、首都圏局は他の拠点局と異なり、経営管理や視聴者対応の一部業務を本部が担う分業体制となっています。また、近畿地方の中心である大阪局は、本部機能を補完する役割も担っているため、一部従来の部制を残しています。

四国地方は他のブロックと比較して規模が小さいため、拠点局である松山局も地方局と同様の2センター制を採用しています。

特に北海道は、「1道1ブロック」という特殊性から独自の組織改革が行われました。2015年には道内の受信料営業業務が札幌局に集約されましたが、令和に入って各局がセンター制に移行したことで更に見直され、2023年からは道内放送局が札幌局を頂点とした3段階の管理体制に再編されています。後発の放送局の一部業務（番組編成、アナウンス、受信料営業など）は先発局へ移管されつつも、その他の業務は継続し、連携して地域対応を行っています。

かつて存在した報道室や通信部は、2015年度の組織改正により廃止され、全て「支局」として位置づけられる形で再編されました。これにより、従前支局が担っていた営業部門業務も外部委託などが進み、2018年までに支局は報道取材に特化した拠点となっています。これは、元々1988年に放送局から格下げされて誕生した支局の歴史を踏まえた合理化の一環です。

NHKは経営効率化を進めており、受信料収受業務の合理化として、2008年には訪問集金制度を廃止し、口座振替やコンビニ支払いへ一本化するなど、業務の外注化や集約も進められています。過去には職員削減を含むリストラが経営課題として議論されたこともあり、今後の経営状況によっては一部支局の更なる再編や体制変更の可能性も示唆されています。

近年では、地域における情報発信や課題解決に向け、民間放送局と連携した取り組みも行われています。例えば、新型コロナウイルス対策や地域の災害対策など、共通のテーマで共同キャンペーンや共同企画を実施する事例が見られます（例：福島県、長野県、富山県、福井県、広島県、愛媛県、高知県、熊本県、宮崎県など）。

これらの放送局の所在地や管轄エリア、詳細な情報は、NHKが展開する国内放送ネットワークの全体像を示すものであり、公共放送の地域における役割を理解する上で重要な要素となります。

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