日本晴

日本晴（にっぽんばれ）について

日本晴は、学名Oryza sativa L. cv. Nipponbareで知られる、日本の代表的なイネの品種の一つです。この水稲品種は、広い環境適応性を持つ特徴があり、主に日本で栽培されています。品種改良により育成されたもので、その歴史は1963年に遡ります。愛知県安城市の農業試験場で開発され、幸風（中新110号）とヤマビコ（東海7号）を交配することで誕生しました。

歴史的な背景

日本晴は1970年代に入ると、全国の作付面積の1位を占めました。この栄光の時期は1978年まで続きましたが、次第にコシヒカリの登場に影響を受けて、その作付面積は減少しました。21世紀に入ると、滋賀県や鳥取県、和歌山県などが主要な栽培地となり、特に滋賀県では、2009年度の近江米において13%の作付面積を誇っています。

名称の由来

この品種名「日本晴」は、その美しい熟色を示す特性や、育成の最初の成果であることを記念して名付けられました。また、開発当時の通例に従い、早生には「晴」、中生には「風」といった共通の名が付けられる考え方が影響しています。

品種特性

日本晴は、成熟期が中生よりやや遅い中晩性の品種です。倒伏性は中強であり、収量は中程度との評価を受けています。また、食味に関しては上の下に分類されます。ジャポニカ種にあたる粳米の一種で、暖地で栽培するのに適した品種として人気があります。昭和後期には日本で最も多く栽培され、有名な銘柄米の一つとして名を馳せています。

利用方法

日本晴は、粘りが少なく食感が軽やかであるため、チャーハンやピラフなどの料理に適しています。また、寿司米としても非常に人気があります。関係者の一つに越前たけふ農業協同組合があり、彼らは「日本晴復活プロジェクト」を立ち上げ、外食向け需要を開拓しているという実績があります。さらに、日本晴は正式に酒造好適米ではありませんが、広義なカテゴリーにおいて酒造用にも広く活用されています。特に、日本穀物検定協会では、滋賀県野洲市の日本晴を基準米として採用しており、品質の高さが認められています。

日本晴は、また日本におけるイネのゲノムプロジェクトにおいて、イネのゲノム解読に使用された重要な品種としても特筆すべき存在です。これにより、農業や生物学的な研究にとっても価値の高い品種となっています。

まとめ

日本晴は、その栽培の歴史や特性、利用方法において、日本の農業に深く根付いた重要なイネの品種です。食味や用途の多様性から、今後も多くの場面で活躍が期待されています。

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