日本歴史地名大系

日本歴史地名大系

『日本歴史地名大系』（にほんれきしちめいたいけい）は、平凡社から出版された、地名に関する包括的な辞典です。全48巻の地名と、索引としての2巻を合わせて50巻から的なるこの辞典は、47都道府県に加え、京都市についても詳細な情報を収載しています。これは、吉田東伍が編纂した『大日本地名辞書』を継承しつつ、同時期に発行された『角川日本地名大辞典』に対抗する形で作られました。

沿革

本書の編纂は1974年（昭和49年）、著名な歴史学者である谷川健一の提案によって始まりました。それは、戦前の『大日本地名辞書』をしのぐような質を持った地名辞典を作成することを目的としたものでした。各都道府県ごとに地元の大学の歴史学者が監修を務め、地域の郷土史家などが執筆し、ホームグラウンドから情報を集めていきました。

最初の巻である『長野県の地名』が1979年（昭和54年）に刊行されて以来、20年以上にわたり、各巻の刊行が続けられ、2004年（平成16年）に最終巻である『福岡県の地名』が出版されました。この年、本書は第52回菊池寛賞を受賞しました。2005年（平成17年）には、附録としての索引2巻も発行され、全ての作業が完了しました。

また、本書の刊行とほぼ同時期に、角川書店が『角川日本地名大辞典』を編纂しましたが、全巻の完成には本書よりも約15年の遅れがありました。1997年（平成9年）には、寺社に関連する情報を整理し増補した『京都・山城寺院神社大事典』や『大和・紀伊寺院神社大事典』、さらに『近江・若狭・越前寺院神社大事典』などが刊行されています。

2006年（平成18年）には、ジャパンナレッジにて電子化され、インターネット上で一般の人々がアクセスできるようになりました。この際には最新の考古学の知見が取り入れられ、当時の市町村合併にも対応する形で内容が調整されましたが、本文の変更は行われていません。以降も市町村合併に応じて検索機能は更新され続けています。

構成

本書の構成は多岐にわたります。まず、総論から始まり、旧国名編、地域編が続きます。地域編では、刊行された時点での市町村ごとに詳細な項目が組織され、最近の行政区画の変遷や石高の一覧も収載されています。文献解題や五十音順の索引、難読地名一覧といった付随的な情報も提供され、各巻ごとに整理されています。

脚注

本書における情報は、他の辞典や資料との関連において広がりを持っています。特に『大日本地名辞書』や『角川日本地名大辞典』との比較研究がなされ、多くの研究者にとって貴重な資料となっています。

関連項目

• - 大日本地名辞書
• - 角川日本地名大辞典

外部リンク

• - ジャパンナレッジ 日本歴史地名大系

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