日本民俗学会

日本民俗学会：民俗学研究の歩みと発展

日本民俗学会は、日本の民俗学研究を牽引する全国規模の学会です。1949年の発足は、1935年に柳田國男らによって設立された「民間伝承の会」をその起源としています。本学会は、民俗学研究の進展、研究成果の普及、会員間の連携強化を目的として活動しています。

会の発展：アカデミズムへの浸透

「民間伝承の会」時代には、柳田國男を中心とした熱心な研究者たちが、機関誌の発行や民俗学講習会の実施を通じて、民俗学の普及に尽力しました。柳田國男は精力的に著作を執筆し、その活動は民俗学の学問体系確立に大きく貢献しました。1930年代半ばは、民俗学の研究方法や組織が整えられた重要な時期として位置づけられています。

1949年、「民間伝承の会」は「日本民俗学会」と改称し、新たな段階へ進みました。この頃から、日本の大学において民俗学の講座が設置されるようになり、民俗学はアカデミズムの領域に本格的に進出しました。それ以前の民俗学は、柳田國男の私邸で行われた「木曜会」や雑誌掲載論文などを中心に展開されており、学問組織としては未整備な状態でした。しかし、戦後の学制改革により、國學院大學、東京教育大学、成城大学など複数の大学で民俗学の専門教育が始まりました。これにより、民俗学は教育・研究の制度的な枠組みを確立し、現代へと繋がる基盤を築きました。2014年には一般社団法人へと移行し、組織基盤を更に強化しました。

機関誌の変遷：民俗学研究の記録

日本民俗学会の機関誌は、学会の名称変更に伴い、その名称も変遷を遂げてきました。「民間伝承の会」時代の機関誌『民間伝承』を引き継ぎ、当初は『民間伝承』という名称を使用していました。その後、1953年には『日本民俗学』、1958年には『日本民俗学会報』と改称されましたが、1970年には再び『日本民俗学』に戻り、現在に至っています。機関誌は、長年にわたって民俗学研究の成果を記録し、その発展に貢献してきました。それぞれの名称変更は、学会の活動内容や研究方向の変化を反映していると言えるでしょう。

日本民俗学会の役割：現在と未来

日本民俗学会は、研究発表会やシンポジウムの開催、研究助成事業の実施など、活発な活動を展開しています。会員相互の交流を促進し、民俗学研究の裾野を広げる役割も担っています。日本の民俗学界の中核として、今後も民俗学研究の発展に貢献していくことが期待されます。その活動は、日本の文化・歴史の理解を深める上で、重要な役割を果たしています。学術的な研究発表だけでなく、一般向けの講演会やワークショップなども積極的に開催することで、民俗学を広く社会に伝える努力を続けています。 日本の文化や社会を多角的に理解するために、民俗学の重要性はますます高まっていると言えるでしょう。

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