日本法医学会

特定非営利活動法人日本法医学会

特定非営利活動法人日本法医学会（英語名称: Japanese Society Of Legal Medicine）は、日本の法医学分野における中心的学術研究団体です。1919年4月2日に設立され、以来、この分野の発展と研究交流に貢献しています。学会の種別としては単独学会に分類され、学術研究領域としては基礎医学に含まれます。

創設当初、本学会は多岐にわたる司法医学領域の研究を目的として発足しました。その研究対象には、衛生学、衛生警察学、裁判医学、精神病学および裁判的精神病学、毒物学、裁判化学、そして医事法理といった専門分野が含まれます。これらの分野は、法と医学が交わる領域であり、事件や事故における医学的・科学的な証拠の収集・分析、個人の権利や公衆衛生の保護、精神鑑定、薬物や化学物質の影響評価、医療行為に関する法律問題など、社会の安全と公正に関わる重要なテーマを扱います。日本法医学会は、これらの専門分野における学術的研究を推進し、知識の共有と普及を図ることを活動の柱としています。

国内における関連組織との連携も図られており、日本の医学分野における主要な連合組織である日本医学会にも加入しています。

学会の歴史

日本法医学会の歴史は、1888年に設立された国家医学会に遡ります。この組織が法医学研究の基盤となりました。

1888年: 国家医学会が設立され、日本の法医学研究の基礎が築かれました。
1914年: 国家医学会が現在の名称につながる日本法医学会へと改称しました。これにより、学会の名称がより専門分野を明確に示す形となりました。
2008年: 法的な位置づけをより明確にするため、組織形態を特定非営利活動法人（NPO法人）へと移行しました。これにより、社会貢献活動や情報公開の透明性が向上しました。

主な刊行物

日本法医学会は、研究成果の発表と普及のため、以下の主要な学術刊行物を発行しています。

Legal Medicine:
欧文で発行される学術雑誌です。
査読付きの論文を中心に掲載しており、高い専門性と学術的価値を持っています。
使用言語は英語のみです。
1999年に創刊されました。
印刷体とeジャーナルの両方の形態で入手可能です。
著作権は発行元である出版社が保有しています。
購読には費用が必要です。

日本法医学雑誌:
和文で発行される刊行物です。
主に学会での発表内容や会議の要旨などが掲載されています。
使用言語は日本語のみです。
1947年に創刊された長い歴史を持つ雑誌です。
印刷体として発行されています。
著作権は学会自体が保有しています。
* 購読には費用が必要です。

これらの刊行物は、国内外の研究者にとって、法医学分野の最新の研究動向や知見を得るための重要な情報源となっています。

日本法医学会は、これらの活動を通じて、法医学および関連分野の発展に寄与し、学術交流の促進、研究者の育成、そして社会における法医学の理解向上に努めています。また、日本医学会の一員として、日本の医学研究全体の進歩にも貢献しています。

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