日本法社会学会

日本法社会学会

日本法社会学会（にほんほうしゃかいがっかい）は、法と社会の関わりを学際的に研究する「法社会学」分野における日本の主要な学術研究団体です。英語名称は The Japanese Association Of Sociology Of Law といい、通常 JASL と略称されます。

設立とその目的

本学会は、戦後間もない 1947年12月6日 に設立されました。学術研究団体としては、特定の専門分野に焦点を当てた「単独学会」として位置づけられています。設立の背景には、法社会学の研究に携わる研究者たちが、個々の研究活動の枠を超えて、互いの研究内容や成果について積極的に情報交換を行い、共同で研究を推進するなど、密接な連絡や協力関係を築くことへの強い要望がありました。

その主たる目的は、こうした研究者間の連携と協力関係を促進することを通じて、日本国内における法社会学という学問領域そのものを一層発展させていくことにあります。また、研究者同士が日頃の研究生活における様々な情報や課題を共有し、相互に理解を深め、親睦を深めることも、設立当初から掲げられている重要な目的の一つです。

学会活動と国際連携

日本法社会学会は、設立目的を達成するために多様な活動を展開しています。

国内においては、定期的に研究大会や部会を開催し、研究成果の発表や活発な議論の場を提供することで、会員間の情報交換と研究交流を促進しています。

国際的な学術活動にも積極的であり、法社会学分野の主要な国際学術連合体である 国際法社会学会（Law and Society Association）に加入しています。また、国際会議の開催や参加を通じて、世界の研究者との連携を深めています。

具体例としては、2017年にメキシコで開催された法社会学の国際会議を共催という形で支援しました。さらに、2019年に大阪で開催された Asian Law and Society Association の大会においては、開催の後援を行っただけでなく、本学会の理事長が基調講演を行うなど、アジアにおける法社会学の発展にも貢献しています。これらの活動は、日本の法社会学研究の成果を世界に発信し、国際的な視野を広げる上で極めて重要です。

主要刊行物：学会誌『法社会学』

本学会は、学術研究の成果を公表するための主要な媒体として、学会誌 『法社会学』 を刊行しています。この学会誌は、英語名を The Sociology of Law といい、1951年 に創刊されました。

『法社会学』は、質の高い研究論文が掲載される ジャーナル であり、掲載される論文は厳格な 査読 プロセスを経て採択されます。使用言語は主に 日本語 ですが、論文の冒頭には 英文の抄録 が付されており、海外の研究者にも内容の一部が伝わるよう配慮されています。発行形態は伝統的な 印刷体 です。

本誌の 著作権は学会に帰属しており、クリエイティブコモンズライセンスは現在のところ 定めていません。学会員以外の研究者や一般の方々も 有料 で購読することが可能です。

『法社会学』誌は、日本の法社会学研究における最新の動向や重要な研究成果を知る上で、欠かせない学術情報源となっています。本学会は、この学会誌の刊行を通じて、国内の研究水準の向上と学問の普及に貢献しています。

日本法社会学会は、設立以来、日本の法社会学研究の中心的な推進力として、研究者のネットワーク形成、学術研究の深化、そして国際的な連携強化に継続的に取り組んでいます。

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