日本爬虫両棲類学会

日本爬虫両棲類学会とは

設立と目的

日本爬虫両棲類学会（にほんはちゅうりょうせいるいがっかい、英語表記: Herpetological Society of Japan）は、1962年に設立された日本の専門学術団体です。本学会は、爬虫類と両生類という特定の分類群に焦点を当て、これらの生物に関する学術研究の推進と生息環境を含む保全活動に貢献することを主な目的として活動しています。

主要な活動内容

学会の活動は、設立目的に沿って多岐にわたりますが、その中心となるのは以下の二点です。

学術的な情報発信: 爬虫類および両生類に関する最新の研究成果や知見を発表し、共有する場として、定期的に会誌を発行しています。発行されている会誌には、和文誌の『爬虫両棲類学会報』と、国際的な研究成果を掲載する英文誌『Current Herpetology』があり、国内外の研究コミュニティに重要な情報を提供しています。
研究交流の促進: 会員間の研究成果の発表や意見交換を目的として、定期的な学術集会や研究発表会を開催しています。これらの集まりは、研究者同士が直接交流し、新たな知見を得たり、共同研究の可能性を探ったりするための重要な機会となっています。

社会への貢献活動

本学会は、純粋な学術活動に加え、社会的な課題に対しても専門的な知識を活かした貢献を行っています。特に注目される活動の一つに、カエルツボカビ症への対応があります。

カエルツボカビ症は、ツボカビ門に属する真菌によって引き起こされる両生類の感染症で、世界中で多くの両生類種に壊滅的な被害をもたらしている重大な問題です。日本国内でこの感染症が初めて確認されたのは、2006年12月25日のことでした。

この緊急事態に対し、日本爬虫両棲類学会は、関連する他の研究機関や団体と連携し、迅速に対応しました。具体的には、「カエルツボカビ症侵入緊急事態宣言」を共同で発令し、この感染症の危険性を広く周知するとともに、感染拡大の防止策や被害を最小限に抑えるための啓発活動、情報提供に積極的に取り組みました。これは、専門学会としての責任を果たし、生物多様性の保全に寄与する重要な行動でした。

関連分野

本学会の活動は、爬虫両棲類学という学問分野そのものの発展に深く関わっています。爬虫両棲類学は、これら特定の動物群の分類、形態、生理、生態、行動、遺伝、進化、そして保全といった幅広い側面を研究する学際的な分野であり、日本爬虫両棲類学会はその研究者たちが集まり、知見を共有し、新たな研究を生み出すための核となる存在です。

このように、日本爬虫両棲類学会は、設立以来半世紀以上にわたり、爬虫類と両生類に関する学術研究の推進と、これらの貴重な生物たちの将来を守るための保全活動において、中心的な役割を担い続けています。

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