日本産業巡航見本市協会

日本産業巡航見本市協会について

社団法人日本産業巡航見本市協会（通称JIFF）は、1955年から1980年まで活動していた、日本の輸出促進を目的とした団体です。この協会は、日本機械輸出組合が発起した「機械巡回見本市船」構想から発展し、国内外で数多くの見本市を開催し、日本産業の海外進出を支援しました。この記事では、協会の設立背景や沿革、その活動内容について詳述します。

設立の背景

第二次世界大戦後、日本の産業は急速に復興しました。特に1950年代においては、政府の保護政策や新技術の導入により機械工業が発展。この時期、日本機械輸出組合は、機械輸出業界のために効果的な海外宣伝活動を構築する必要性を感じ、見本市船のアイデアを提案しました。これが後に、巡航見本市という形で具体化することになります。

巡回見本市の開催

1955年、日本機械輸出組合の通常総会で機械巡回見本市船の派遣計画が決定され、翌年には初の「日本機械巡航見本市」が開催されました。この見本市は、東南アジアの9港を巡り、日本の機械産業を紹介しました。成功を受けて、1957年には日本産業巡航見本市委員会が設立され、より広範な産業を対象にした協会へと成長していきます。

1961年には社団法人として「日本産業巡航見本市協会」が正式に設立され、今後の発展に向けて見本市専用船の建造計画も立案されました。これまでに実施された13回の見本市では、合計で121カ国、148港において2,123,137人の来場者を迎え、326,000件を超える商談が実現しました。

批判と変革

1970年代に入ると、貿易の発展に伴い外貨準備残高が増加。1972年には183億ドルを超え、輸出促進の重要性が良い意味でも問われることとなりました。その結果、第10次巡回以降は相互貿易の促進と国際親善を重視し、見本市の内容も文化や実情を紹介する展示へとシフトしていきます。このように、協会の活動は経済状況に応じて変貌を遂げていきました。

終焉

しかし、1978年に入ると企業の国際化が進む中で、大企業の参加が減少し始めます。1978年の第13次巡航見本市をもって、協会の活動は事実上のピークを迎えました。以降はアメリカ商務省が主催する米国産品の見本市「ボーティック・アメリカ」の支援を行った後、1980年に解散が決定されました。このように、日本産業巡航見本市協会の歴史は、数々の成功と共に一つの時代を築き上げ、そして終焉を迎えました。

まとめ

日本産業巡航見本市協会は、輸出振興を通じて日本の産業に大きな影響を与えた組織であり、その活動の成果は長い影響を持ち続けています。今後の産業振興に向けた各種の施策や取り組みが、協会の歴史から得られる教訓を踏まえて進められることが期待されます。

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