日本甲冑武具研究保存会

一般社団法人日本甲冑武具研究保存会について

一般社団法人日本甲冑武具研究保存会（英語名：The Association for the Research and Preservation of Japanese Helmets and Armor）は、東京都新宿区に本部を置く、日本の甲冑武具研究の専門団体です。

概要

当会は、日本の甲冑（鎧兜）武具を、単なる武具としてではなく、金工、漆工、染織などの高度な技術が結集した美術工芸品として捉えています。これらの甲冑は、各時代の最高水準の技術によって作られ、甲冑師と着用した武将の魂が込められた文化遺産であるという認識のもと、その研究と保存活動を行っています。

研究対象は、甲冑を中心に、馬具、陣羽織、旗幟、指揮具、銃砲など、江戸時代までの中近世における武具全般に及びます。また、会員相互の親睦を深める場としての役割も担っています。

1961年の創設以来、文部科学省（旧）の認可を受けた唯一の甲冑武具研究団体として、国内外で広く認知されています。全国各地や欧米で甲冑武具展覧会を開催・協力し、甲冑武具の審査、認定書発行などを通して、研究・保存活動を積極的に展開しています。

国内には東京の本部のほか、東海支部、近畿支部があり、それぞれ定期的に研究例会が開催され、講師や会員による研究発表が行われています。これらの研究成果や会員からの寄稿は、機関誌『甲冑武具研究』（季刊）に掲載されています。

当会では、専門家が美術的・歴史的価値が高く、保存状態の良い甲冑・武具を対象に審査、評価、格付けを行い、甲冑については5つの等級に分けて認定書を発行しています。等級は、価値が高い順に「重要文化資料」、「甲種特別貴重資料」、「特別貴重資料」、「貴重資料」、「保存資料」となっています。なお、日本刀、刀装、刀装具に関しては、当会の管轄外であり、日本美術刀剣保存協会が認定書を発行しています。

海外支部

近年、海外におけるサムライ文化への関心の高まりとともに、欧米を中心に日本の甲冑コレクターが増加しています。また、経済状況の変化も、甲冑武具の海外流出に拍車をかけています。こうした背景から、当会への海外からの問い合わせが急増したため、国内の外国籍会員の仲介により、2015年から海外会員の募集を開始しました。2017年には、海外支部（The Western branch of the Association for the Research and Preservation of Japanese Helmets and Armor）が設立されました。

ベルギー人実業家のルック・タールマン氏を代表とし、欧米在住のコレクターや博物館が会員として参加しています。これまで日本甲冑を専門とする研究機関が海外に存在しなかったこと、また言語の問題などから、メトロポリタン美術館などの法人会員も海外支部に参加しています。

活動内容

甲冑武具の研究、保存活動
国内外での甲冑武具展覧会の開催、協力
甲冑武具の審査、認定書発行
機関誌『甲冑武具研究』の発行
研究例会の開催
会員相互の親睦

関連情報

* 一般社団法人日本甲冑武具研究保存会 公式ウェブサイト)

当会は、日本の貴重な文化遺産である甲冑武具の保存と研究に尽力し、その魅力を国内外に発信し続けています。

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