日本畜産学会

日本畜産学会（Japanese Society of Animal Science, JSAS）は、1924年（大正13年）に設立された、畜産学と畜産業の進歩・発展を目的とする公益社団法人です。約2,500名の会員を擁し、その所属は大学、公的試験研究機関、民間企業など、幅広い分野にわたっています。

目的と活動領域

同学会の目的は、「畜産に関する学術研究の発表、情報の交換の場としてその進歩普及を図り、もって学術、文化の発展に寄与すること」と定められています。この目的達成のため、以下の活動を主な領域としています。

家畜の生理機能の解明: 家畜の生体メカニズムや機能に関する研究を推進し、畜産技術の基盤となる知見を提供します。
飼養管理の向上: 家畜の健康と生産性を向上させるための飼養方法や管理技術の開発・改善に取り組みます。
畜産物利用の技術開発: 牛乳、食肉、鶏卵などの畜産物の加工、保存、品質向上に関する技術開発を行います。
畜産経営学: 畜産経営の効率化、持続可能性に関する研究を行い、経営改善に貢献します。

近年では、遺伝子研究の急速な発展や、家畜に起因する環境汚染の深刻化といった社会的な課題に対応するため、研究領域を拡大しています。具体的には、以下の分野にも力を入れています。

動物遺伝育種: 遺伝子レベルでの改良による、生産性や品質の向上を目指します。
環境畜産学: 家畜排泄物の適切な処理や、環境負荷の低減技術の開発を行います。
アニマルウェルフェア: 家畜の福祉に配慮した飼養環境や管理方法の研究・普及に努めます。
人と動物の関係学: 人と動物のより良い関係を構築するための学際的な研究を推進します。

学術誌と表彰

同学会は、畜産学に関する研究成果を広く発信するため、以下の学術雑誌を発行しています。

Animal Science Journal (英文誌): 国際的な学術誌として、英文によるオリジナル論文を掲載しています。
日本畜産学会報 (和文誌): 日本国内の研究者による、和文のオリジナル論文や総説などを掲載しています。

また、畜産学の発展に貢献した研究者や技術者を表彰するため、以下の賞を設けています。

日本畜産学会賞: 畜産学において顕著な業績を挙げた研究者に授与されます。
日本畜産学会奨励賞: 若手研究者の育成を目的とし、優れた研究成果を挙げた若手研究者に授与されます。
日本畜産学会功労賞: 長年にわたり学会の発展に貢献した会員に授与されます。
大会時の優秀発表賞: 大会における優れた発表に対して授与されます。
* 学術論文誌の査読、引用回数に係る各賞

日本畜産学会は、畜産学の発展と畜産業の振興に貢献するため、学術研究の推進、情報発信、人材育成、社会貢献など、多岐にわたる活動を展開しています。

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