日本病院薬剤師会

一般社団法人日本病院薬剤師会：日本の医療を支える薬剤師たちの団体

一般社団法人日本病院薬剤師会（以下、日病薬）は、病院や診療所で働く薬剤師を会員とする職能団体です。1955年、日本病院薬剤師協会として発足し、1971年には社団法人化されました。2007年時点での会員数は3万6千人を超え、日本の医療現場において重要な役割を担っています。

日病薬の活動の中心は、病院薬剤師の専門性の向上と社会的地位の確立です。会員である薬剤師たちは、医師の指示に基づき、患者のための医薬品の調剤や服薬指導、薬物療法に関する情報提供など、多岐にわたる業務に従事しています。特に、病院では大量の処方箋を扱うため、薬剤師間の綿密な連携と作業分担が不可欠です。そのため、日病薬は、薬剤師の教育や研修制度の充実にも力を入れています。

設立と発展：日本薬剤師会との関係と独立への道

日病薬は、当初は日本薬剤師会（現：日本薬剤師会）の一部門として活動を開始しました。しかし、医薬分業制度の改革や、薬局薬剤師との意見対立などを背景に、次第に独立への動きが強まりました。特に、病院薬剤師の社会的地位向上と、医療現場における薬剤師の専門性をより明確に打ち出す必要性が高まっていきました。

社団法人化への道のりは容易ではありませんでした。日本薬剤師会との関係調整や、厚生省（当時）との協議など、様々な課題を乗り越える必要がありました。最終的には、日本薬剤師会との合意を得て、1971年に社団法人化が実現しました。これは、病院薬剤師の専門性を認め、独立した団体として活動するための重要な一歩となりました。この過程では、日病薬の歴代会長をはじめとする多くの関係者が尽力し、病院薬剤師の地位向上に貢献しました。

近年の動き：薬剤師会との連携強化と今後の展望

近年、薬剤師と薬局間の連携強化が叫ばれる中、日病薬は、地方薬剤師会との統合を進める動きにも関わっています。京都府や兵庫県では、すでに薬剤師会と病院薬剤師会の統合が実現しており、より効率的な医療体制の構築に貢献しています。

日病薬は、製薬企業に依頼してインタビューフォームの作成・配布も行っています。これは、薬剤師の意見を収集し、医療現場のニーズを把握するための重要なツールとなっています。

まとめ

日病薬は、日本の医療現場における薬剤師の専門性を高め、社会的地位を向上させるために活動する重要な団体です。設立以来、多くの課題を克服しながら発展を続け、現在も医療の質の向上に貢献しています。今後も、薬剤師の教育や研修、薬剤師と薬局間の連携強化など、様々な取り組みを通じて、日本の医療の発展に貢献していくことが期待されています。 日病薬の今後の活動にも注目が必要です。

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