日本眼科医会

日本眼科医会とは

公益社団法人日本眼科医会（にほんがんかいかい）は、日本における眼科医療の向上と発展、そして国民の目の健康増進に貢献することを使命とする職能団体です。日本全国で眼科診療に携わる医師、すなわち眼科医によって組織されています。かつての公益法人制度の下では、厚生労働省がその主務官庁でした。この団体は、専門性の高い眼科医療を社会に提供し、会員である医師の活動を支援するとともに、国民への眼科医療に関する情報提供や啓発活動を行うなど、多岐にわたる役割を担っています。

団体の歴史

日本眼科医会の歩みは、日本の近代医学史における眼科分野の発展と深く結びついています。その源流は、昭和初期に遡ります。

創立期

1930年（昭和5年）11月、日本の眼科医たちが専門家集団としての連携を強化し、眼科医療の発展に寄与することを目指して、「日本眼科医師会」が創立されました。これは、当時の眼科医療の状況を踏まえ、医師間の学術交流や情報交換、そして医療水準の向上を図るための重要な第一歩でした。

一時的な解散

しかし、第二次世界大戦が激化する戦時体制下の1942年（昭和17年）12月、医療提供体制の国家統制を目的とした国民医療法が施行されました。この法律の影響は多くの医療関連団体に及び、日本眼科医師会もその活動の継続が困難となり、残念ながら解散を余儀なくされました。

再建と発展

終戦後の混乱期を経て、医療体制が再構築される中で、眼科医療の専門団体を再び組織する必要性が認識されました。そして、1951年（昭和26年）10月、新たな組織として「日本眼科医会」が創立され、活動を再開しました。これにより、戦後復興期の日本の医療現場において、眼科分野の専門家による組織的な活動が再び可能となりました。

法人化と公益性への移行

組織としての社会的な位置づけを明確にし、より安定した基盤の上で活動を展開するため、1973年（昭和58年）4月には、当時の厚生省より社団法人としての認可を受けました。これにより、団体としての法的地位が確立され、対外的な信頼性も向上しました。

さらに、21世紀に入り、公益法人制度が改革される中で、日本眼科医会はその活動の公益性を一層高め、社会全体の利益に貢献することを明確にするため、2012年（平成24年）4月に公益社団法人へと移行しました。この移行により、国民全体の健康増進に資する活動への取り組みがより一層強化されています。

主な活動と社会連携

公益社団法人日本眼科医会は、会員である眼科医の専門知識や技術の向上を支援するための研修会や学術集会の開催、眼科医療に関する最新情報の提供、そして国民への眼科疾患予防や目の健康維持に関する啓発活動などを行っています。

特に、社会への情報発信という点では、公共性の高い広告を通じて社会課題の解決を目指す民間の広告団体であるACジャパンと連携しています。2022年度からは、目の健康に関するテーマで支援キャンペーンを展開しており、広く国民に対して目の大切さや定期的な検査の重要性などを訴えかける活動にも積極的に取り組んでいます。

情報発信

日本眼科医会は、公式ウェブサイトをはじめ、YouTubeチャンネルなどのオンラインメディアも活用し、団体の活動報告や眼科医療に関する専門的な情報、そして国民向けの分かりやすい目の健康情報を発信するなど、多様な手段で社会とのコミュニケーションを図っています。これらの情報源は、眼科医だけでなく、一般の人々にとっても有益な情報を提供しています。

もう一度検索