日本福音宣教団

日本福音宣教団 (にほんふくいんせんきょうだん)

日本福音宣教団は、キリスト教プロテスタントの教派であるペンテコステ派に属する日本の団体です。彼らの信仰上の特徴として、特に聖霊の働きを重視し、異言を伴う聖霊のバプテスマという霊的な体験を強調している点が挙げられます。

この宣教団の始まりは、R・ペディゴという宣教師の働きに遡ります。1948年、ペディゴ氏は重い病に罹患し、一時は死の淵をさまよいますが、信仰による癒しを経て劇的に回復したとされています。この出来事が転機となり、彼は日本での伝道に対する明確な召命、すなわち宣教のビジョンを抱くようになりました。この強い使命感に導かれ、ペディゴ氏は1950年に日本へと渡りました。

来日後、ペディゴ宣教師は広島県を主要な拠点として宣教活動を開始しました。その活動範囲は広島県内にとどまらず、近隣の山口県や愛媛県にも及びました。これらの地域で積極的に福音を伝え、その働きを通して多くの信仰者が起こされ、いくつかの教会が設立されていきました。

日本福音宣教団の宣教活動において、特にユニークで注目すべきは、瀬戸内海に点在する島々への伝道です。物理的なアクセスの困難さを克服するため、彼らは二つの手段を効果的に活用しました。一つはラジオ放送を用いた伝道です。電波に乗せてメッセージを送ることで、広範囲にわたる島々の人々に福音を聞く機会を提供しました。もう一つは、専用の伝道船を用いる方法です。この船は宣教師たちが島々を巡回し、直接現地で集会を開いたり、住民と交流したりするための重要な移動手段となりました。ラジオ放送と伝道船を組み合わせたこの瀬戸内海の島々への伝道は、約30年という長い年月にわたり粘り強く続けられました。この継続的な働きによって、多くの島々に福音が届けられ、信仰の基礎が築かれました。

彼らが神学的に強調する聖霊のバプテスマ、とりわけ異言を伴う体験は、ペンテコステ派において信者が神の力に満たされ、力強く証し、奉仕するための能力や確信が与えられるものと理解されています。日本福音宣教団も、この霊的な側面を自らのアイデンティティと活動の重要な柱として位置づけています。

このように、日本福音宣教団は、創設者の特別な霊的体験に根差したビジョンに基づき、広島を中心とした地域と、特にラジオと伝道船を用いた瀬戸内海の島々へのユニークな方法で、長年にわたり福音伝道を展開してきた団体です。

参考文献

* 中村敏『日本における福音派の歴史』いのちのことば社、2000年

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