日本精神保健福祉士協会

公益社団法人日本精神保健福祉士協会

公益社団法人日本精神保健福祉士協会（にほんせいしんほけんふくししきょうかい、英語名称：Japanese Association of Mental Health Social Workers）は、精神保健福祉士（MHSW）を主な会員として構成される、日本における専門職能団体です。精神保健福祉士は、精神的な課題を抱える方々やそのご家族に対し、専門的な知識や技術を用いて相談援助や社会参加支援を行う国家資格を持つ専門家です。本協会は、この専門職の活動を支え、その質の向上を図ることを主要な目的としています。

沿革

本協会の歴史は、1964年（昭和39年）に設立された日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会に遡ります。この団体を前身とし、1997年（平成9年）に精神保健福祉士法が制定されたことを機に、現在の日本精神保健福祉士協会へと名称を変更しました。その後、組織基盤を強化するため、2004年（平成16年）には社団法人としての設立認可を取得。さらなる公益性の追求と社会的な信頼性の向上を目指し、2013年（平成25年）に公益社団法人へと移行し、現在に至ります。

関連団体

本協会は、日本におけるソーシャルワーカーの主要な職能団体の一つとして、他の関連団体との連携を重視しています。具体的には、公益社団法人日本社会福祉士会、公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会、そして特定非営利活動法人日本ソーシャルワーカー協会と共に、日本ソーシャルワーカー連盟（Japanese Federation of Social Workers／JFSW）を結成しています。この日本ソーシャルワーカー連盟は、国内のソーシャルワーカーを包括する職能団体であり、さらに世界各国のソーシャルワーカー団体が加盟する国際的な組織である国際ソーシャルワーカー連盟（International Federation of Social Workers／IFSW）にも加盟しています。このように、本協会は国内および国際的なネットワークの中で活動を展開しています。

目的と事業

本協会は、「精神保健福祉士の専門性の向上に努め、精神保健福祉士に関する社会的な認知度を高めるための普及啓発活動等を実施すること、そして精神障害のある方々の社会的自立と地域での豊かな暮らしを支えるための専門的・社会的な取り組みを進めること」を通じて、国民全体の精神保健福祉のさらなる向上に貢献することを目的としています。この目的を達成するために、以下のような多岐にわたる事業に取り組んでいます。

精神障害者等、精神保健福祉に関する支援を必要とする人々が安心して地域で生活できるよう、その生活の安定と権利擁護に向けた活動を行います。
精神保健福祉士が専門家として常に質の高いサービスを提供できるよう、職務に必要な知識や技術を継続的に向上させるための研修や機会を提供します。
精神保健福祉士としての倫理観を確立し、専門職としての資質をさらに高めるための規範設定や啓発活動を行います。
精神保健福祉士の資格制度がより実効性を持ち、社会に広く認知されるよう、制度の発展に向けた提言や普及活動を推進します。
精神保健福祉および精神保健福祉士の専門分野における課題や現状を明らかにするため、調査研究活動を実施し、その成果を社会に還元します。
国内の他の社会福祉専門職団体や関連機関、さらには国外の同種の団体との連携を密にし、協働による活動を推進します。
* 上記の目的を達成するために必要とされるその他の事業についても、積極的に実施します。

これらの活動を通じて、公益社団法人日本精神保健福祉士協会は、精神保健福祉士という専門職の発展を図るとともに、精神的な困難を抱える人々が尊厳を持って地域社会の一員として暮らせる社会の実現に貢献しています。

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