日本芸術療法学会

日本芸術療法学会

日本芸術療法学会（にほんげいじゅつりょうほうがっかい）は、英語名をThe Japanese Society of Psychopathology of Expression and ArtsTherapyと称する、芸術療法および表現精神病理学の分野における学術研究および専門技術の向上を目的として設立された学会です。

この学会は、我が国における芸術療法の発展に寄与するため、1969年にその歩みを始めました。設立以来、学会は芸術が持つ治療的な可能性を探求し、精神医学や精神病理学といった関連領域との連携を図りながら、その学術的な基盤を確立すること、そして臨床現場における技術の普及と質の向上を目指してきました。

学会の主な活動内容としては、研究成果や臨床事例を発表し、会員間で議論を深めるための学術集会や講演会の開催が挙げられます。これらの機会は、最新の知見を共有し、この分野の専門家が交流する重要な場となっています。また、研究の成果や理論、実践に関する論文などを掲載する学会誌の発行も、学会の重要な事業の一つです。

機関誌

学会の公式な学術機関誌は、『日本芸術療法学会誌』です。この機関誌は、芸術療法および表現精神病理学に関するオリジナルの研究論文や展望、実践報告などを掲載しており、年間2回の頻度で発行されています。この機関誌を通じて、会員および関連分野の研究者や実践家に対して、最新の研究動向や貴重な臨床経験が共有されています。

学会賞

本学会では、この分野の研究や実践において顕著な功績を挙げた個人や、将来が期待される若手研究者を顕彰するため、複数の賞を設けています。

学術奨励賞: 芸術療法や表現精神病理学における優れた研究を発表した若手研究者に対して贈られる賞です。
日本芸術療法学会賞: 長年にわたり学会活動に貢献し、この分野の研究・実践に大きな影響を与えた会員に授与されます。
日本芸術療法学会功労賞: 学会の運営や発展に多大な貢献をした個人に対する賞です。

これらの賞は、学会の活性化に寄与し、さらなる研究や実践の発展を促す役割を果たしています。

会員構成

本学会には、精神科医、心理士、芸術療法士、教育関係者など、芸術療法や表現精神病理学に関心を持つ幅広い分野の専門家が集まっています。現在の会員数は約1000名となっており、多様な背景を持つ専門家たちが、知識や経験を共有し、連携しながら活動を展開しています。

関連分野

芸術療法や表現精神病理学は、以下の学術分野と密接に関連しています。

精神医学: 精神疾患の診断や治療法に関連し、芸術療法が補助的な治療法として用いられることがあります。
精神病理学: 精神現象の本質や異常の構造を研究する学問であり、表現を通して人間の内面を理解しようとする表現精神病理学はこの領域の一部です。
芸術療法: 芸術活動を治療的なプロセスとして用い、心理的な課題の解決や自己成長を促す専門分野です。

日本芸術療法学会は、これらの関連分野との交流を深めながら、芸術と人間の心の関係に関する理解を深め、その知見を社会に還元することを目指しています。

もう一度検索