日本語教育の推進に関する法律

日本語教育推進法の概要

日本語教育の推進に関する法律は、平成30年6月28日に成立し、レイワ元年の同日から施行されている。これは、日本語を習得することを望む外国人、および日本語を母語としない日本人への教育支援を目的とした法令であり、一般には「日本語教育推進法」と呼ばれている。

立法の背景

日本国内に在留する外国人の数が増加する中で、彼らに日本語を教える必要性が高まってきた。この流れに伴い、2000年代中頃からは日本語教育保障法研究会や日本語教育学会が中心となり、法制化に向けた運動が始まった。特に2016年には、超党派の議員からなる日本語教育推進議員連盟が設立され、これが本法の制定へとつながった。

この法律の施行にあたっては、日本語教育機関の体制に関する問題の改善も図られている。具体的には、留学生の所在不明事件などを受けて、適正な教育を提供する機関の認定制度が導入され、2023年には日本語教育機関認定法の成立に至った。その結果、日本語学校の認定制度や登録日本語教員制度が作られ、教育体制の強化が目指されている。

法律の構成と目的

この法律は、第一章から第四章までの構成に分かれており、各章で具体的な施策や方針が示されている。第一章では、法律の基本的な目的と理念が述べられており、国および地方公共団体に対して日本語教育の推進に関する責任を規定している。

第二章では、政府に対して日本語教育の施策を総合的に推進するための基本方針の策定が義務付けられており、地方公共団体はその地域に応じた施策を推進することが求められている。

第三章では、国内外での日本語教育機会の拡充を図るため、具体的な施策が提示されている。例えば、日本国内においては外国人の幼児や学生へ必須な日本語教育を提供することが講じられ、海外においては日本語教育機関の支援が強調されている。

第四章は、日本語教育推進会議の設立について言及しており、政府や関係機関との連携を強化するための枠組みが設けられている。特に日本語教育に関する情報を集約し、広報を通じて必要な支援を行うことが重要視されている。

実施のタイムライン

この法律は2019年の国会で可決され、その後すぐに施行された。そして、11月には「日本語教育推進関係者会議」が開催され、その年に日本語教育の施策を効果的に実施するための基本方針が閣議決定された。これにより、日本語教育の質の向上を目指す具体的な施策が進められている。

まとめ

日本語教育推進法は、外国人や非母語者に対して日本語を学ぶ機会を提供し、言語による障壁を取り除くことを目的とした重要な法律である。日本語教育の必要性が増す中で、今後ますますその支援が期待される。

もう一度検索