日本講談協会

日本講談協会の概要

日本講談協会は、東京都に本部を置く講談師の団体です。1991年10月、2代目神田山陽を筆頭とする講談師たちが、従来の講談協会から独立して設立されました。現在も、神田山陽一門を中心に構成されており、独特の伝統と結束力を持つ団体として知られています。

協会の沿革と特徴

協会設立の背景には、従来の講談協会における会長選挙への異議申し立てがありました。2代目神田山陽は、多くの弟子と共に独立し、新たな協会を築き上げたのです。この独立は、講談界に大きな影響を与え、現在の協会の独自性を形作る重要な出来事となりました。

日本講談協会の会員の多くは、落語芸術協会にも加入しています。これは、講談と落語が密接な関係にあることを示しており、両者の協調関係が協会の活動基盤となっています。多くの講談師が、落語芸術協会の定席寄席で前座修業を行い、芸を磨いています。ただし、すべての会員が落語芸術協会に所属しているわけではなく、例外も存在します。神田茜氏のように、落語協会に所属する会員もいます。

2021年には、協会のホームページがリニューアルされ、情報発信の強化が図られました。

協会の構成員

協会は、会長、名誉会長、副会長、理事、監事などで構成される役員会によって運営されています。2022年現在の役員は以下の通りです。

会長：神田紅
名誉会長：三代目神田松鯉
副会長：神田昌味
常任理事：二代目神田愛山
理事：神田陽子、神田紫、神田茜、神田鯉風、神田山吹、神田阿久鯉、神田京子
顧問：押川知子
顧問監事：浜井武

会員は、真打、二ツ目、前座の3階級に分けられ、それぞれの階級で活躍する講談師が多数所属しています。 各階級の所属者数は変動するため、詳細な人数は公式発表を参照ください。

協会の興行活動

日本講談協会は、落語芸術協会（一部例外あり）と連携して、定期的に寄席興行を開催しています。落語芸術協会の定席では、協会所属の講談師が主任（トリ）を務めることも多く、講談の魅力を広く伝えています。

また、協会独自で開催している興行としては、以下のものがあります。

お江戸上野広小路亭
日本講談協会定席（毎月2日間）
講談広小路亭（毎月1回）
明日葉会（毎月1回、二ツ目による研鑽興行）
お江戸日本橋亭
若葉会（毎月1回、二ツ目・前座による研鑽興行）
新宿永谷ホール
* 講談新宿亭（1月と偶数月1回）

さらに、毎年4月上旬の「日本講談協会祭」と、10月下旬の「山翁祭」（2代目神田山陽の周忌追善興行）といった特別興行も開催しています。これらの興行を通して、講談芸術の振興と継承に貢献しています。

協会と他の団体との関係

日本講談協会は、落語芸術協会と密接な関係を築いています。多くの会員が両方に所属し、協力して活動しています。一方で、神田茜氏のように落語協会に所属する会員もおり、多様な連携が見られます。

まとめ

日本講談協会は、神田山陽一門を中心に、講談芸術の振興に尽力する団体です。落語芸術協会との連携、独自の興行活動、そして若手育成への取り組みなどを通して、講談文化の未来を担っています。今後も、その活動に注目が集まるでしょう。

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