日本軍装研究会

日本軍装研究会

日本軍装研究会は、1971年に設立され、2004年まで活動していた日本の軍装に特化した研究団体です。この団体は、日本で最も古い軍装研究グループとされ、創設以来、多くの軍事研究者やコレクターを育成してきました。

設立の背景

創設者は寺田近雄というテレビ局プロデューサーで、彼は自衛隊の資料館に自らの収集した軍装品を寄贈しようと試みたのですが、展示スペースがないとの理由で断られました。この経験から、彼と吉野慶一が出会い、孤立しがちな軍装研究者たちとの連携の必要性を感じ、軍装品の研究や蒐集を行う団体を設立することを決意します。

会員制度と出版物

日本軍装研究会は「正会員」として30名のみに参加を制限しており、新たに参加を希望する者は「予備会員」として扱われる体制を取っていました。正会員には議決権が与えられ、会の運営に深く関与することができました。1996年には『日本軍装写真集』が出版され、多くの日本の軍装に関する貴重な写真が掲載されていますが、一部には模造品も含まれているため、利用時には注意が必要です。

歴史的な流れ

1971年7月15日、九段会館で日本軍装研究会の発足式が行われ、初代会長には元陸軍大将の後宮淳が就任しました。また、顧問には日本の風俗史に詳しい笹間良雄が参加し、会は順調に成長を遂げました。テレビの特番にも出演し、世間からの注目を集める一方で、賛否が分かれることもありました。

会は1973年に会長が死去するなど変化を迎え、1982年には新たなリーダーとして土肥一夫が就任しましたが、それに続く1984年には着装派と研究派との対立が表面化しました。この分裂は会の会員数に甚大な影響を及ぼし、内部抗争や幹部交代が繰り返されました。

終焉とその影響

2003年、最後の創立メンバーである中島康彦の死去を受け、対立が激化し、2004年には日本軍装研究会は自然消滅を迎えました。多くの著名な研究者やコレクターが在籍していたこの団体は、その解散後も日本の軍装研究界に影響を及ぼし続けており、その蔵書や資料は現在でも貴重な情報源として参照されています。他にも、会員の中にはヒサクニヒコや中西立太といった著名な人物が名を連ね、軍装に関する知識や技術が高められました。

このように、日本軍装研究会は、日本における軍装研究の基盤を築き、多くの人々に貴重な知識を提供した重要な団体でした。

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