日本音楽コンクール

日本音楽コンクールについて

日本音楽コンクールは、毎日新聞社と日本放送協会（NHK）が共同で主催する、クラシック音楽の権威あるコンペティションです。若い音楽家を対象としたこのコンクールは、伝統あるイベントとして、多くの音楽家たちの登竜門となってきました。

概要

このコンクールは1932年に発足し、戦前から続く長い歴史を有しています。審査員には国内外で名を馳せる音楽家や作曲家が選ばれ、客観的かつ専門的な視点から参加者を評価します。ただし、音楽評論家の参加は原則として認められていません。

参加者には年齢制限があり、声楽部門は35歳以下、他の楽器部門は29歳以下と定められています。作曲部門に関しては年齢制限がないものの、過去に4回以上入賞した者は出場できません。コンクールの本選は、作曲部門を除いて後日、NHK教育テレビとNHK-FMで放送されるため、多くの人々にその演奏が披露されます。また、毎日新聞では審査結果の詳細が公表され、入賞者には賞金が授与されます。

具体的には、第1位には60万円、第2位には30万円、第3位には15万円が贈られ、最高位の受賞者には毎年3月に行われる受賞者発表演奏会に出演する権利が与えられます。しかし、作曲部門は2018年からその審査方式が譜面審査に変更されるなど、注目を集めています。この新しい方式には批判も多かったため、2023年からは再び演奏審査が行われますが、会場は一般には公開されず、NHKのスタジオでの実施となっています。さらに、2023年度以降は、複数の作品を応募することが可能となり、選考の幅が広がりました。

歴史

日本音楽コンクールは、1932年に「音楽コンクール」としてスタートしました。初期の本選会は日比谷公会堂で行われ、多くの音楽愛好者が集まりました。1937年からは主催が東京日日新聞および大阪毎日新聞（現在の毎日新聞社）に変更され、コンクールは進化を続けました。1944年には戦争の影響で一時大会名が「音楽顕奨」と変更されることもありましたが、1946年以降は正式な名称に戻りました。

また、1949年からはNHKが組織に加わり、中継放送によって高い知名度を誇るイベントへと成長しました。1982年には現在の「日本音楽コンクール」という名称に改称され、1993年からは本選会の会場が東京芸術劇場に移され、その後1998年には東京オペラシティに定着しました。そして、2003年には聴衆賞が新設され、観客の意見も反映される形になりました。

審査方法

本コンクールは、予選会と本選会から構成されており、演奏部門では公開の予選を通じて出場者が決まります。作曲部門では楽譜による非公開の審査を行い、選定された作品が本選で演奏される形となっています。このことから、音楽家は新たな才能を発掘するために切磋琢磨し、質の高い音楽が生まれる場と言えるでしょう。

表彰

コンクール本選会では、第1位から第3位までのほか、寄託賞や聴衆賞といった特別賞も授与され、多くの音楽家が評価される機会が与えられます。

日本音楽コンクールは、若手音楽家にとって貴重な経験となり、才能を試す場として今後も多くの参加者に期待されます。

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