日本音楽制作者連盟

日本音楽制作者連盟について

一般社団法人日本音楽制作者連盟（FMPJ）は、日本の音楽業界を支える重要な業界団体です。1986年に設立されたこの団体は、229社の音楽プロダクションから成り立っており、音楽制作に関わる様々な権利を擁護しています。略称は音制連で、英語ではFederation of Music Producers Japanと呼ばれています。

設立の背景

日本における音楽レンタルビジネスの拡大が、音楽制作者や実演家に対する権利の危機意識を促したことから設立に至りました。1980年に初のレコードレンタル店がオープンしたことをきっかけに、全国に同様の店舗が開店し、音楽プロダクションやレコード会社は自身の権利が侵害されることを懸念しました。この危機感から、1981年にはレコード会社13社が大手レンタルチェーンに対して法的措置を講じることになります。こうした動きが国会における「貸レコード規制法案」の審議を招き、1984年に著作権法が改正され、貸与権が新設されました。これにより音楽制作者の権利保護のための団体設立が求められ、音楽制作者連盟が誕生しました。

2010年には公益法人制度改革に伴い、法人名を音楽制作者連盟から日本音楽制作者連盟に改めています。さらに2012年には「STOP!違法ダウンロード広報委員会」を他の業界団体と共同で設立し、違法ダウンロードへの対策を強化しています。

主要な業務と目的

音楽制作者連盟は、音楽制作者や実演家の権利保護に特化した業務を行っており、主な活動内容には下記のものがあります：

• - 権利の擁護：貸レコード使用料、商業用レコードの二次使用料、私的録音録画補償金の分配など、音楽制作に伴う権利の管理と保護を行っています。
• - 啓蒙活動：肖像権の重要性についての啓蒙活動を実施し、無断使用に対する意識を高める努力をしています。
• - 分配業務の支援：音楽制作にかかる著作権や肖像権の正当な分配を支援し、プロダクションの地位向上に寄与しています。

肖像権の課題

現在、音楽制作者連盟はインターネット上での肖像権侵害についても取り組んでいます。特に動画共有サービス上にアップロードされた動画に関し、加盟するプロダクションと契約する実演家が登場する作品について定期的に削除申し立てを行っています。しかし、肖像権の管理は明確な契約に基づかず、時には実演者の知らないうちに動画が削除されるケースもあります。

会員

音楽制作者連盟は様々な関連企業や個人事務所が正会員として参加しており、以下のようなカテゴリーにわかれています：

• - 音楽・タレント系：音楽関連のプロダクションやアーティスト事務所。
• - 個人事務所系：独立したタレントや音楽製作者。
• - 出版社系：音楽に関連する出版業者。

これらの会員は、音楽制作の各分野において連盟を支え、共通の目的に向かって活動しています。音楽制作者連盟は、音楽業界の健全な発展と権利擁護に向けて、今後も重要な役割を果たしていくことでしょう。

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