日比野弘

日比野 弘（ひびの ひろし）の生涯

日比野弘は、1934年11月20日に東京都で生まれ、2021年11月14日に86歳で逝去した、日本のラグビー界に多大な影響を与えた元選手かつ指導者です。彼は歴代の日本代表監督として知られ、ラグビー日本代表の草創期を支えた存在でもあります。早稲田大学人間科学部の名誉教授でもあり、教育や指導の場においても高い評価を受けました。

幼少期から青年期へ

日比野は、銀座の陶磁器商「陶雅堂」の長男として誕生しましたが、戦時中に練馬に疎開し、そこで少年時代を過ごしました。中学校の頃は野球に夢中になり、タイガースファンの叔父の影響を受けていました。しかし、進学した東京都立大泉高校ではラグビー部に入部し、以後はその道を歩むことになります。

早稲田大学に進学すると、ラグビー部で正選手として活躍し、ウイングとして日本代表にも選ばれました。1961年に大学を卒業後、東横百貨店に勤務したのち、家業を継ぐこととなります。しかし、ラグビーへの情熱は冷めず、母校や日本代表のコーチ、監督として活躍を続けることになります。

指導者としての功績

日比野は1970年から早稲田大学ラグビー蹴球部の監督に就任し、チームを大学選手権、日本選手権での勝利に導きました。その後も様々な時代において日本代表監督を務め、特に1983年のウェールズ戦では僅差での善戦を成し遂げました。おそらく彼の指導者としてのスタイルは、技術だけでなく、選手たちの精神的な成長を重視していたことでしょう。

1979年には陶雅堂を閉店し、ラグビー活動に専念するようになりました。日本ラグビーフットボール協会では理事、副会長を歴任し、さらにはラグビーワールドカップ2011日本招致委員会の委員長として日本でのラグビーの理解と普及に尽力しました。加えて、ラグビー中継の解説者としても長年に渡って活躍し、多くのファンにその知識を伝えました。

学術・編集活動

日比野弘は学問の分野でも卓越しており、早稲田大学では助教授から教授へと昇進し、体育局の教授としても名声を博しました。大学での活動と並行して、日本ラグビーの歴史や自身の経験をまとめた著作も多数発表しています。特に、『日比野弘の日本ラグビー全史』はラグビー日本の発展を振り返る上での貴重な資料となっています。

栄誉と最後の日々

彼は2013年には旭日中綬章を叙勲されるなど、業績が評価されました。日比野は2021年11月14日、呼吸不全により自宅で亡くなりました。彼の功績は日本ラグビーの歴史に深く刻まれており、その名は永遠に語り継がれることでしょう。彼が残した数々の成果と精神は、今後も日本ラグビー界に影響を与え続けることが期待されます。

もう一度検索