日生劇場

日生劇場の概要

日生劇場は、東京の中心地に位置する文化施設であり、1963年に開業しました。この劇場は、日本生命日比谷ビル内にあり、座席数は当初の1,358席から現在の1,334席に減少しています。設計を手掛けたのは著名な建築家・村野藤吾で、その重厚な外観と幻想的な内装は多くの観客を魅了しています。

歴史的背景

日生劇場の設立は、多くの関係者の努力によって実現しました。国際的な舞台芸術の充実を目指していた浅利慶太や石原慎太郎が、東急グループのリーダー五島昇と連携を持ち、日本生命保険の創業70周年を記念する劇場建設案を打ち明けたのが始まりです。その結果、若手芸術家の情熱とスポンサーである日本生命の支援によって、日生劇場が誕生しました。

こけら落しは1963年10月20日に行われ、ベルリン・ドイツ・オペラが招かれました。その後、現代劇やオペラ、ミュージカルといった多彩な舞台が上演され、観客に愛されてきました。しかし、1970年代に経営困難に直面し、自主制作から貸小屋方式へと変更されました。

舞台芸術への貢献

劇団四季が常設劇場を持つ以前、多くの公演が日生劇場で行われ、特に越路吹雪のリサイタルは多くの人にとって入手困難なチケットとして知られていました。また、沢田研二もこの劇場で初リサイタルを開き、名を馳せました。

音響面での特徴もあり、劇場内の音響効果は非常に高いため、クラシック音楽には「良すぎる」と評されています。そのため、近年ではオーケストラの公演が減少しているのが現状です。観客の中では、特に「グランドサークル」に位置する席の人気が高く、そのためすぐに売り切れることが多いです。

文化活動

日生劇場は、単なるエンターテインメントの提供だけでなく、公益財団法人ニッセイ文化振興財団を通じて、日本の舞台芸術文化の向上に寄与しています。1964年からは、都内の小学生を対象にした「ニッセイ名作劇場」を実施し、劇団四季によるミュージカルを無料招待しています。

また、1979年からはオペラの鑑賞を安価で提供する「日生劇場オペラ教室」を開催し、中高校生のための文化普及を図っています。さらに、毎年夏休みには「日生劇場国際ファミリーフェスティヴァル」が行われ、子供から大人までが本格的な舞台芸術に親しむ機会が提供されています。

建築の魅力

日生劇場は村野藤吾による代表作のひとつであり、1963年に完成しました。地上8階、地下5階という構成の複合ビルで、劇場内の音響設計には波打つような曲面の構造が採用され、装飾には2万枚のアコヤ貝の貝殻が施されています。このような独特の内部空間は、1964年に日本建築学会賞作品賞を受賞しました。

アクセス

日生劇場へは、地下鉄日比谷駅A13出口から徒歩1分、また有楽町駅や銀座駅からも徒歩でアクセス可能な便利な場所に位置しています。

このように日生劇場は、舞台芸術の中心地として多面的な活動を行い、今なお多くの人々に愛され続けています。

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