日産ディーゼル・スペースランナーJP

スペースランナーJPとは

スペースランナーJP（SPACERUNNER JP）は、日産ディーゼル工業（現在のUDトラックス）が平成22年まで製造・販売していた普通型路線用バスです。このバスは1992年に誕生し、9m級の中型車を基にした最初の10.5m級ボディを持つ低床バスとして位置付けられています。モデルの開発は、西日本車体工業（西工）との共同で行われ、主に都市路線向けに設計されました。

シリーズの発展

スペースランナーJPは、1994年に型式認定を受け、量産が開始されました。このバスは、低床構造としたことで乗降が容易で、都市交通における利用者の利便性を高めました。1999年には、エアサス仕様のモデルが追加されるなど、さらなる進化を遂げました。特にU-JP211NTNからは、日産ディーゼルの標準車体である18型E（8E）も導入され、他社の車両への影響を与えることになります。

2004年にはモデルチェンジが行われ、リーフサス車の生産が中止され、エアサス車によるラインナップが整えられました。この際に「スペースランナーJP」という愛称が与えられています。このモデルの設計思想は、後に日野や三菱ふそうの車両開発にも影響を与えました。

各モデルの特徴

U-JM210GTN型

1992年に導入されたU-JM210GTN型は、西鉄の路線代替として採用され、バスの乗降の容易さから好評を博しました。このモデルは、9m級の車両を延長する改造によって10.5mにしたもので、乗客の利便性を重視した設計がなされています。エンジンにはターボ付きのFE6T型が搭載され、力強い走行性能を持ちました。

U-JP211NTN型

1994年に量産化されたU-JP211NTN型は、特に都市路線向けに設計されており、床面高さ53cmは他のバスの標準的な高さとなるなど、業界の基準を定める存在となりました。

PK-JP360NAN型

2004年に発表されたPK-JP360NAN型は、エアサス仕様のみに特化し、環境規制にも対応したモデルです。エンジンは日野自動車から供給されたものを使用しています。これまでのJP系のバスが統一的なブランド名で販売されることとなり、全国的に認知されるようになりました。

PDG-JP820NAN型

2007年に発売されたPDG-JP820NAN型は新長期規制に対応したモデルで、排出ガスの低減を実現しています。この車両から、三菱ふそうとの提携により、三菱製のエンジンを搭載し、OEM供給が行われるようになりました。

電気バスへの改造

さらに、スペースランナーJPを基にした電気バスも開発され、2000年に納入されました。このバスは、電気で動くにもかかわらず、高い走行性能を誇り、乗り降りしやすい設計が施されています。このようなモデルは、今後のバス業界における環境への配慮という側面でも注目されています。

まとめ

スペースランナーJPは、その革新的な設計と多様なモデル展開を通じて、日本の公共交通機関における重要な役割を果たしてきました。都市路線に特化した低床バスとして、便利な移動手段を提供し続けると同時に、都市交通のバリアフリー化にも寄与しています。

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