日産・クリッパーリオ

クリッパーリオの概要

クリッパーリオ(CLIPPER RIO)は、日産自動車が開発したセミキャブオーバー型の軽ワンボックスカーで、乗用モデルとして販売されています。このモデルは、初代が三菱自動車工業から供給され、2代目以降はスズキからOEM供給を受けているため、ベース車両の特性を持ちながらも、日産ブランドの個性を強調しています。2024年3月までのモデルであるNV100クリッパーリオ（エヌブイイチマルマルクリッパーリオ）について詳しく見ていきましょう。

初代モデル(U71W/U72W型) (2007年-2012年)

初代クリッパーリオは2007年に正式に発表され、販売が開始されました。タウンボックスのOEM車種として、特徴的なダークスモークのメッキフロントグリルが印象的です。グレード体系は、NA車の「E」とターボ車の「G」が基本で、さらに4WD仕様も用意されていました。また、オーテックジャパンによる福祉車両「チェアキャブ スロープタイプ」も展開され、アクセシビリティに配慮した設計がなされています。

発売当初から、エアロバージョンを追加し、販売を促進。内装色や装備の改良も行われ、運転席シートベルトリマインダーや撥水加工シートなどの安全機能が強化されました。2011年にはタウンボックスの生産中止に伴い在庫車のみの販売となり、2012年にはクリッパーシリーズのマイナーチェンジに沿って販売が終了しました。

2代目モデル(DR64W型) (2013年-2015年)

初代モデルの販売終了から1年11ヶ月を経て、NV100クリッパーリオとしてフルモデルチェンジが行われました。この新モデルは、オートスライドドアや多彩なシートアレンジにより、利便性が大幅に向上しました。さらに、助手席前倒し機構などにより、乗降性も改善されています。グレード体系は「E」と「G」の2つとなり、ターボエンジンを搭載。安全装備も充実して、全車にターボエンジンと4速ATの組み合わせが採用されました。

3代目モデル(DR17W型) (2015年-)

2015年に、NV100クリッパーと同時にフルモデルチェンジを行い、R06A型エンジンを搭載した3代目クリッパーリオが誕生しました。加速性能と燃費効率が向上され、室内のスペースも広がりました。また、最新の安全機能が追加され、エマージェンシーブレーキや踏み間違い衝突防止アシストが全車に標準装備されました。

以降も、定期的に仕様向上が行われ、快適性や安全性が進化し続けており、消費者のニーズを反映しています。2024年3月には名称が初代モデルの「クリッパー リオ」に戻り、トランスミッションやライトも新たに変更され、さらに進化した姿を見せています。

車名の意味と由来

クリッパーという名称は、旧プリンス自動車工業が1958年に発売したトラックに起因しており、「俊足を誇る馬」という意味があります。一方、リオはスペイン語で「川」を指し、カーニバルの持つ楽しさやシンプルな覚えやすさから名付けられています。NV100は「日産のバン」と「車両総重量1,000kgクラス」という意味が込められており、クリッパーリオはその伝統を受け継ぐ車なのです。

クリッパーリオは、日常生活における多目的な利用を可能にし、ファミリーやビジネスシーンでも活躍するモデルとして、今後も期待されています。特に、福祉車両としての機能も充実しており、多くの人々に利用され続けているのです。

もう一度検索