日産・VQエンジン

日産自動車が誇るV型6気筒エンジン、VQエンジンは1994年に初めて生産され、以来数多くの車種に搭載され続けています。このエンジンは、4-OHC（片バンクあたりDOHC機構）を搭載し、24バルブという設計が特長です。

エンジンの特徴と歴史

このVQエンジンシリーズは、日産のVG型エンジンやVE型エンジンの後継として位置づけられています。当初は中級および上級モデルで広く使用され、その後も日産車の主力エンジンとして君臨しています。特に、質の高い生産性と多様な応用性を兼ね備えており、量産型エンジンの成功例としても知られています。アメリカの専門誌であるWard's AutoWorld magazineが選出する「10 best engines」には14年連続で選ばれており、その信頼性と耐久性は実証済みです。実際に、定期メンテナンスを行ったVQ25DEエンジンが102万kmもの走行を耐えた実績があります。

最初に搭載されたモデルは4代目マキシマであり、日本市場では2代目セフィーロに搭載されました。このエンジンは、2,000ccから4,000ccという幅広い排気量展開があり、それぞれの用途に応じた多様なバリエーションが用意されています。一般的には高性能ガソリン仕様ですが、特定のモデルにはレギュラーガソリン仕様も存在し、使い勝手の良さを兼ね備えています。

生産拠点

日産はこのVQエンジンの生産を福島県いわき市に有するいわき工場で行っています。この工場はVQエンジン専用で、2004年からはアメリカのテネシー州デカード工場でも生産が開始されました。さらに、2011年からは中国の東風日産花都工場でも生産が始まり、現在では4つの工場で一貫した生産体制を築いています。高い精密性が要求されるため、このエンジンの一貫生産が行えるのは、これらの工場に限られています。

バリエーション

VQエンジンは多くのバリエーションを持ち、代表的なラインナップには以下のようなものがあります。

• - VQ25DE: 2,495cc、最高出力186ps～210ps、トルク232Nm～270Nm。中間クラスに位置し、エルグランドやティアナなどに搭載。
• - VQ30DE: 2,987cc、最高出力220ps、トルク280Nm。主にセフィーロやインフィニティI30に使用。
• - VQ35DE: 3,498cc、最高出力240ps～315ps。フーガやスカイラインなどに搭載される大排気量エンジン。

これらのエンジンは、さまざまなモデルに搭載されており、消費者のニーズに応じたエンジン仕様が用意されています。精密な製造技術に基づく高い耐久性、優れた性能により、VQエンジンは依然として多くの自動車愛好者に支持されています。これからもVQエンジンは日産の車両において重要な役割を果たすことでしょう。

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