日産・e-NV200

e-NV200の概要

日産自動車が製造しているe-NV200（イーエヌブイニヒャク）は、ライトバン及びミニバンタイプの電気自動車で、2014年から日本国内にて販売が開始されました。ベースはNV200バネットで、商用車としての特性を持ちながら、優れたエネルギー効率と積載能力を兼ね備えています。かつて日本市場での生産は2019年まで行われていましたが、現在は主に欧州で生産・販売されています。

特徴と性能

e-NV200は、日産のグローバルEV戦略の一環として展開されており、リーフに次ぐ二車種目の量販型電気自動車です。開発途中から各種企業へのモニター貸与を通じて実地運用のデータを収集し、そのフィードバックを元に改良を重ねてきました。
パワートレインには、日産リーフの技術を基にしたe-パワートレインが採用されており、商用車専用の特別なチューニングが施されています。ブレーキシステムには新しい回生協調ブレーキシステムが採用されており、効率的にエネルギーを回収しつつも、従来通りのブレーキフィールを提供します。
この車両は、バッテリー残量が少なくなると最高速度を100km/hに制限するエナジーセーブモードも搭載しており、無駄な電力消費を抑えられる設計です。満充電時にはJC08モードで185〜190kmの走行が可能です。

多彩な使い方

一部のグレードには、前席や助手席下に最大1500Wの電気を供給できるパワープラグが装備されており、ビジネスでの電源確保はもちろん、屋外イベントや災害時にも活用できます。バッテリー残量による自動停止機能も設定可能で、走行電力を気にしなくても使用できるメリットがあります。

設計とデザイン

外観デザインは、日産のスタイリッシュなアイデンティティを反映しており、充電リッドや流線型のバンパー形状など、機能的でありながら美しい仕上がりが特徴です。リアコンビランプは高輝度LEDを採用し、最新のデザインにマッチしたスタイルとなっています。また、ボディカラーは「リキッドブルーチタニウムパールメタリック」を含む5色から選択できます。

グレード体系

e-NV200には、商用登録のバンモデルと乗用登録のワゴンモデルが存在します。バンモデルは「VX」と「GX」の2グレードが用意されており、特に「GX」モデルはパワープラグが搭載されています。ワゴンモデルの「G」では、さまざまな便利機能が標準装備されており、乗用としても魅力的に仕上がっています。

プロダクションの歴史

e-NV200は、2012年に北米自動車ショーで初めてコンセプトモデルが発表されて以降、多くの企業との連携を通じて、実際の運用データを基にした改良が進められてきました。2014年には日本での販売が開始され、様々な仕様改良がなされました。特に、2018年にバッテリーの大容量化や耐久性向上などの改良が行われ、保証期間も延長されています。
2019年には日本市場での生産と販売が終了しましたが、その技術とデザインは今なお評価され続けています。今後も日産は、環境に配慮した先進的な技術を活用し、持続的な成長を目指した多様なモデルの展開を行っていくことでしょう。

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