日立ドキュメンタリー すばらしい世界旅行

日立ドキュメンタリー すばらしい世界旅行

『日立ドキュメンタリー すばらしい世界旅行』は、日本テレビ系列で放送されていた紀行番組で、1966年10月9日に初回を迎え、1990年9月16日までの24年間にわたり放送されました。全1010回を数えるこの番組は、日立製作所及び日立グループが単独で提供しました。番組は、毎週日曜日の夜に放送され、新聞のラテ欄では『すばらしい世界旅行』と表記されていました。

放送時間は、初期の21:00から21:30までの枠を経て、1975年には19:30から20:00に移動。特にこの時間帯においては、長い期間にわたりエンディングに「日立の樹」が流れており、視聴者に強い印象を与えました。

番組の内容

この番組は、世界各国の文化や民族の風習、宗教、儀式、民俗などを紹介することを目的としており、特に欧米以外の国々に焦点を当てていました。プロデューサーの牛山純一が率いる日本テレビのドキュメンタリー制作チームは、視聴者により豊かな海外旅行の魅力を伝えることを目指しました。

放送当初、日本はまだ海外旅行が一般化されておらず、多くの人々がその魅力に触れることができませんでした。この番組は、その乏しい情報の中で海外の民族や文化を詳しく紹介し、多くの視聴者の旅行への関心を高めました。また、番組制作時には取材対象の文化や伝統に対し、愛情を持って接することが強調され、現地での長期取材を行うことで報道の信頼性を確保していました。

制作背景

『すばらしい世界旅行』の制作は、牛山がテレビジャーナリズムにおいて新たな方向性を求めていたことが発端です。1965年に制作したドキュメンタリーが政治的クレームにより放送中止となり、彼は新たな表現の場としての紀行番組制作に挑戦することを決めました。この番組では、暗い現実だけでなく、外国人の生活や文化も映し出し、日本と異なる価値観を持つ民族と触れ合うことで、視聴者に新しい視点をもたらしました。

番組の終焉とその後

1990年、視聴者数の減少や放送枠の見直しが影響し、番組は終了することとなります。最終回では、24年間の放送に対する感謝のメッセージがナレーションで締めくくられました。終了後も、日立の樹が流れるエンディングテロップはさまざまな番組で目にすることができました。

その後も2007年には日テレプラスで過去の映像が再編集され、26本の特集が放送されました。『すばらしい世界旅行』は、多くの日本人に異文化への興味を引き起こし、視覚的な楽しみだけでなく、知識の面でも深い影響をもたらした番組として記憶されています。

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