日米文化教育交流会議

日米文化教育交流会議（CULCON）の概要

日米文化教育交流会議（CULCON）は、日本とアメリカ合衆国両国の政府間諮問機関です。正式名称は「日米文化教育交流会議（The U.S.-Japan Conference on Cultural and Educational Interchange）」で、その目的は日米関係における文化・教育面での基盤強化にあります。CULCONは、両国間の文化交流、教育交流、知的交流を促進し、相互理解を深めるための活動を行っています。

CULCONの設立と歴史

CULCONは1961年、ジョン・F・ケネディ大統領と池田勇人首相の協議に基づき設立されました。教育・文化交流のための両政府のハイレベルな諮問機関として発足し、1968年には日米両政府間の覚書の交換により正式に協定が締結されました。その後、米国情報庁（USIA）のプログラムとなり、1999年には国務省に復帰。1991年には東京とワシントンに常設の事務局が設置され、活動の継続性と効率性が向上しました。現在、米国側事務局は日米友好委員会、日本側事務局は国際交流基金に設置されています。

CULCONの活動

CULCONは、多様な分野を網羅した幅広い活動を行っています。教育交流、メディア、デジタル文化、芸術交流、情報アクセス、グローバルリーダー育成など、時代を反映したテーマに取り組んでいます。官民両部門の専門家やパネリストらが参加する活発な議論を通して、創造的な解決策を模索しています。

CULCON教育タスクフォース

近年、CULCONは日米間の学生交流の減少という課題に着目しました。2013年、ハワイで開催された会議で、日米両国のCULCONメンバーは、この問題を検証し、学生交流の拡大に向けて提言を行うための二国間タスクフォースを設立しました。

タスクフォースは、米国に留学する日本人学生数の減少を深刻な問題と捉え、2020年までに両国間の留学者数を倍増させるという目標を掲げました。この目標達成のため、様々な提言がなされました。具体的には、日本人学生の英語力向上のための対策、日本の学年暦改革、日本の大学の国際化、留学費用負担の軽減など、多角的なアプローチによる対策が検討されました。

タスクフォースの報告書は、2014年に安倍晋三首相とアメリカ合衆国国務次官に提出されました。この報告書は、安倍政権が進めた教育改革、特に英語教育強化政策に大きな影響を与えました。

安倍政権は、小学校からの英語必修化、外国人講師の増員、TOEFLスコアによる大学入学資格の付与、共同学位プログラムの推進など、報告書の提言を踏まえた具体的な政策を実施しました。これらの政策は、日本の国際競争力強化にも大きく貢献すると期待されています。

まとめ

CULCONは、日米両国の文化・教育交流を促進し、相互理解を深める上で重要な役割を担っています。学生交流の活性化に向けた取り組みは、その活動の一例であり、今後の日米関係においても重要な貢献が期待されます。CULCONの活動は、政府だけでなく、民間機関や教育機関など、多様な主体との連携を通じて行われています。この連携こそが、CULCONの大きな強みであり、今後の更なる発展につながるでしょう。

参考文献

* Hayden, Craig. The Rhetoric of Soft Power: Public Diplomacy in Global Contexts. Lanham, MD: Lexington, 2012

もう一度検索