日経設備投資動向調査

日経設備投資動向調査について

日経設備投資動向調査は、日本経済新聞社が年2回実施している、企業の設備投資動向を把握するための重要な調査です。この調査は、日本経済全体の投資活動を測る上で、不可欠な指標の一つとされています。

調査対象と方法

調査の対象となるのは、上場企業と資本金1億円以上の有力企業です。ただし、銀行、証券、保険会社は対象外となっています。2004年度当初計画調査では、3185社を対象に調査票が送付され、2017社から回答が得られました。回答企業のうち、連結関係にある企業を除いた1782社を集計対象としています。この際の回答率は63.3％でした。

調査方法は、対象企業に調査票が送付され、企業担当者が調査票に必要事項を記入し、同封の返信用封筒で返送するという形式で行われます。

調査の概要

この調査では、企業が事業のために行う設備投資の金額が調査されます。ここでいう設備投資には、事業用土地の取得費用も含まれます。ただし、設備投資の計上基準については、詳細な規定があるわけではなく、ある程度、回答者の裁量に委ねられている部分もあります。

企業の実際の支払いは、工事等を行った数ヶ月後になることが一般的です。例えば、3ヶ月後に支払いを行う企業の場合、2003年3月の工事に対する支払いは、2003年6月に行われます。そのため、実際の工事時期による投資額（決算ベース）と支払い時期による投資額（支払いベース）には違いが生じます。しかし、この調査で発表される数字は、決算書や有価証券報告書などと同様に、決算ベースで作成されています。

数字の内容と注意点

この調査における設備投資には、事業用土地の取得費用が含まれますが、それ以外の詳細な計上基準は明確に定められていないため、回答者によって解釈が異なる可能性があります。したがって、全企業が同じ基準で回答しているとは限りません。

また、日経リサーチでは、各企業から提出された回答をそのまま集計しているだけで、内容の正誤チェックは行っていません。そのため、誤った回答が提出された場合でも、そのまま集計されてしまう可能性があります。回答内容の解釈の違いは、特定のテーマ（例えば、環境対策に関する投資額）において顕著になりがちです。同じ内容の設備投資でも、回答者によって「環境対策」に含めるか否かの判断が分かれることがあります。また、同一企業であっても、担当者の変更によって回答の解釈が変わることもあります。

さらに、調査で集められる数字はあくまで企業の予想値であり、実際の投資額とは乖離することも珍しくありません。したがって、この調査の結果は、あくまで参考として捉えるべきです。

まとめ

日経設備投資動向調査は、企業の設備投資動向を把握する上で有用な情報源ですが、調査の性質上、いくつかの注意点も存在します。回答企業の主観や解釈の違い、予測値に基づいていることなどを考慮し、調査結果を多角的に分析することが重要です。

関連情報

• - 日本経済新聞
• - 日経リサーチ

外部リンク

• - 日経リサーチ

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