日英同盟

日英同盟

日英同盟（Anglo-Japanese Alliance）は、日本とイギリスの間の軍事同盟であり、主要にはロシア帝国の脅威に対抗する目的で結ばれました。この同盟は、初回が1902年1月30日にロンドンで調印され、その後数回の更新が行われました。最初の締結から20年間、この同盟は両国の外交政策に大きな影響を与えましたが、1923年には失効しました。

同盟の背景

19世紀末、日本は日清戦争（1894-1895）に勝利し、中国大陸での影響力を強化しましたが、ロシア帝国やドイツ帝国の進出に直面しました。この状況下で、中国における利権を巡る争いが激化していたため、日本はイギリスとの同盟を模索するようになりました。特に、ロシアの満洲や北中国への進出が目立つ中、イギリスはアジアでの影響力を保持するため、日本と協力関係を築く必要がありました。

同盟の締結

結果として、1902年に日英同盟が結ばれることとなりました。この条約では、締約国が他国から攻撃を受けた場合、他方が中立を守るか、または参戦する義務が定められ、特に中国や朝鮮を対象地域としたことになります。この同盟は、日本にとって対露戦争の際に重要な支援源となりました。

日露戦争とイギリスの支援

1904年に日露戦争が勃発すると、イギリスは公に中立を維持しながらも、情報提供やロシア艦隊に対する妨害行為を通じて日本を支持しました。この尽力により、日本は戦争を有利に進めることができ、国際的な地位を高めることにも成功しました。また、日英同盟を契機に、日本は金融面でもロンドンに依存し、イギリスに多くの資金を預けるようになりました。

同盟の拡張

第一次日英同盟は、1907年の更新を経て、第二次日英同盟（1911年）では、インドまで適用範囲が拡大されました。また、大韓帝国の保護国化も取り決められ、攻守同盟としての性格が強まりました。さらに、第三次日英同盟が1911年に成立し、日露戦争後の国際情勢変化に応じた内容に改訂されました。

同盟解消の経緯

第一次世界大戦後、日本とイギリスの利害が対立し、特に1921年のワシントン会議において「四カ国条約」の締結が決定されたことで、日英同盟は廃止されました。この過程で、日本とアメリカ、イギリス、フランスの関係も複雑化し、日英同盟はその実質的な機能を失いました。

2023年の新日英協定

2023年1月には、新たな日英円滑化協定が締結され、これは両国の軍隊が相互に訪問する際の法的地位整備を目的としています。この協定は、イギリスと日本の軍事協力の新たな一歩として位置づけられ、互いの軍隊の共同作戦を円滑に進めるための基盤となるものです。

このように、日英同盟は、初期の軍事的な同盟から、後の国際関係や安全保障へと発展していく過程で、日本の外交政策に重要な影響を与えました。

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