日行 (大石寺)

日行（にちぎょう）とその足跡

日行は、日蓮正宗の総本山である大石寺の第5世法主として知られ、奥州出身の宗教指導者です。彼の生年は不明ですが、応安2年、すなわち1369年に他界しました。日行の生涯は、教団の発展や法の継承に尽力したことから、多くの信者にとって重要な存在となっています。

初期の活動

日行の人生は、1321年の元亨元年に始まります。この年、日蓮宗の創始者である日興から本尊が授与され、日行房という名前で知られるようになりました。彼は信仰の源である本尊をそのままに受け継ぎ、これを基にして教団活動を推進します。

続く延元2年には、総本山大石寺の塔中に本住坊を創設し、信者が集う拠点を整えることに成功しました。このように、日行は早期から教団の基盤を固める役割を果たしていました。

法主への登座

延元4年（1339年）、日行は日興の7回忌を迎えますが、同じ年の6月15日には4世法主である日道から法の付託を受け、大石寺の第5世法主として登位しました。この登座は彼にとって大きな転換点となり、以降の彼の指導に大きな影響を与えることとなります。

教団の発展と新たな宗教的拠点

興国3年（1342年）3月には上洛し、天奏を行い、さらに武士たちに申状を提出するなど、活動の幅を広げていきました。また、興国6年（1345年）には日興の13回忌を行い、教団内での信仰の強化を図りました。

正平15年（1360年）には、下野金井に法華堂（蓮行寺）を創設し、信者が集う場所を増やすことで、宗教の普及に努めました。これにより、教団の存在感はますます高まり、地域の信者にとって重要な拠点となります。

法の継承と最期

正平20年（1365年）の2月15日には、6世の日時へ法を付託し、弟子への教えを重要視しました。また、この年には本尊を書写して陸前の助八郎正明に授与し、さらに信仰心を高めるための活動をしました。

正平24年（1369年）6月29日には、書を日時に与えるなど、教団の未来を見据えた重要な行動を取ります。しかし、その数ヶ月後の8月13日に日行はその生涯を閉じました。

多くの信者にとって、日行は法の継承者として、また教団の発展に尽力した指導者として永遠の存在となっています。彼の足跡を辿ることで、日蓮正宗の歴史や信仰の重みを深く理解することができるでしょう。

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