日野・F型エンジン

日野・F型エンジン：V8エンジンの系譜

日野・F型エンジンは、かつて日野自動車が大型トラックやバス向けに製造していたV型8気筒エンジンです。1971年に登場以来、長年にわたり日野の主力エンジンとして活躍しましたが、2005年のセレガのモデルチェンジに伴い、V型エンジンが廃止されたことで生産を終了しました。日野自動車にとって、F型エンジンは最後のV型エンジンとなりました。

事実上の後継エンジンは、日野・E13Cエンジンとされています。

歴史

1971年、赤いエンジンシリーズの第3弾として、セミトラクタのHEにEF100型エンジンが初めて搭載されました。翌年には、単車のKF、TC、ZMにも搭載され、その活躍の場を広げていきました。その後、F型エンジンは改良を重ねながら長期間にわたって生産され続けましたが、2005年にV型エンジンが廃止されたことで、その歴史に幕を閉じました。

バリエーション

F型エンジンには、排気量や出力特性の異なる様々なバリエーションが存在します。以下に主な型式とその特徴、搭載車種を紹介します。

EF100型
登場：1971年
排気量：13,804cc
最高出力：280PS
搭載車種：K♯/T♯/H♯型
EF100T型
登場：1971年
排気量：13,804cc
最高出力：350PS
搭載車種：HE/HH型
EF300型
登場：1975年
排気量：14,232cc
最高出力：295PS
搭載車種：K♯/T♯/H♯型、RV700、スケルトンRS
EF500型
登場：1977年
排気量：15,459cc
最高出力：315PS
搭載車種：K♯/T♯/H♯型、RV500
EF350型
登場：1978年
排気量：14,779cc
最高出力：295PS
搭載車種：RV300
EF550型
登場：1981年
排気量：16,260cc
最高出力：300PS
搭載車種：スーパードルフィン、ブルーリボン観光型
EF750型
登場：1981年
排気量：16,745cc
最高出力：330PS
搭載車種：スーパードルフィン、ブルーリボン観光型
EF750T型
登場：1981年
排気量：16,745cc
最高出力：360PS
搭載車種：スーパードルフィン、グランビュー
F17C型
登場：1987年
排気量：17,238cc
最高出力：360PS
搭載車種：スーパードルフィン
F17D型
登場：1990年
排気量：16,745cc
最高出力：310PS
搭載車種：スーパードルフィン、スーパードルフィンプロフィア、セレガ
F17E型
登場：1990年
排気量：17,238cc
最高出力：340PS
搭載車種：スーパードルフィン、スーパードルフィンプロフィア、セレガ、MH
F20C型
登場：1992年
排気量：19,688cc
最高出力：355・370・380・400PS
搭載車種：スーパードルフィンプロフィア、セレガ
F17D-TI型
登場：1993年
排気量：16,745cc
インタークーラー付ツインターボ
最高出力：440・450・520・560PS
搭載車種：スーパードルフィンプロフィア、セレガR・<FT-VI>のみ。
F21C型
登場：1994年
排気量：20,781cc
最高出力：360・390・430PS
搭載車種：スーパードルフィンプロフィア、セレガ・<F-IV>のみ。MH、セレガR・<F-V>のみ。

F型エンジンは、その長い歴史の中で、日野の大型車両を支え続けた重要なエンジンです。その多様なバリエーションと、各車種に最適化された性能は、当時の輸送業界に大きく貢献しました。

関連項目

日野・V型エンジン

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