日野・P型エンジン

日野・P型エンジン：大型車両を支える基幹エンジン

日野自動車が製造するP型エンジンは、大型トラックやバス、産業機械向けに開発された直列6気筒OHVディーゼルエンジンです。1981年に登場したスーパードルフィンに搭載されたEP100エンジンを祖とし、その後のP09C、P11Cへと進化を遂げました。2007年には後継となるA09Cが登場していますが、P型エンジンはその長い歴史の中で、数多くの車両を支え続けてきました。

歴史

P型エンジンの登場は、1981年のスーパードルフィンのフルモデルチェンジと同時に発表されたEP100エンジンに遡ります。当時の主流であった自然吸気エンジンに加え、日本初の市販車用インタークーラーターボエンジンとしてEP100が搭載されたことは、大きな話題となりました。このEP100がP型エンジンの基礎となり、その後のP09C、P11Cへと発展していきます。特筆すべきは、これらのエンジンが全て4バルブ化されている点です。これにより、燃焼効率の向上と排出ガスの低減が図られています。

バリエーション

P型エンジンには、いくつかのバリエーションが存在します。

EP100
1982年に登場した初期モデルです。排気量は8,821ccとなっています。
搭載車種：スーパードルフィン
P09C
1990年に登場しました。EP100と同じく排気量は8,821ccです。
搭載車種：スーパードルフィン
P11C
1992年に登場した排気量拡大版です。排気量は10,520ccに拡大されています。

搭載車種

P型エンジンは、その高い信頼性と耐久性から、様々な車種に搭載されました。

トラック
スーパードルフィンプロフィア
プロフィア
レンジャー（輸出向けトラクタ）
バス
ブルーリボン（ノンステップ）
ブルーリボンシティ（HIMR・ハイブリッドを除く）
セレガR（ハイブリッドと瀋陽日野製：中国向け）
トヨタ・IMTS（CNG改）
その他
* MH（詳細不明）

P型エンジンは、日野自動車の大型車両を支える重要なエンジンであり、その技術は後継のA09Cエンジンにも受け継がれています。環境性能への要求がますます高まる現代において、P型エンジンの開発で培われた技術は、今後の日野自動車のエンジン開発においても重要な役割を果たすでしょう。

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