日露間樺太島仮規則

日露間樺太島仮規則の概要

日露間樺太島仮規則、別名仮樺太規約や樺太雑居条約は、1867年に日本の江戸幕府とロシア帝国との間で仮調印された条約です。この条約は、樺太における両国の国境画定を目的としていましたが、最終的には具体的な合意には至りませんでした。

背景

この規則が生まれた背景には、日露和親条約があります。この条約では、千島列島の国境は明確に定められましたが、樺太島には国境が設けられず、両国国民が共存する土地として残されました。箱館奉行は積極的な開発に乗り出し、樺太の開拓を試みましたが、日本人移民は限られ、季節労働者がほとんどでした。対して、ロシアは流刑者や軍隊を派遣し、樺太の実効支配を強化していきました。

1862年には、勘定奉行がロシアに赴き、国境画定に関する交渉を行いましたが、合意には達しませんでした。その後、箱館奉行の小出秀実は、樺太の国境設定の必要性を強く感じ、特に北緯48度を国境とする案を提案しました。

交渉過程

1866年から始まる交渉では、日本側は北緯50度を国境と主張し、これが不可能であれば久春内を国境とすると提案しました。一方、ロシアは樺太全島を自国領とし、日本には特定の島を割譲するといった妥協案を提示しました。会談は行き詰まりを見せながらも、最終的に日本がロシアの案を取り入れた形で条文が作成され、1867年3月30日に仮調印されることとなりました。

条約の内容

この仮規則の主な内容は、樺太を両国の所領として扱い、両国民が自由に生活し、樺太の土地の利用が許可されるものでした。しかし、ロシアが提案した樺太及び島々の包括的な領有権確保案は、日本によって拒否されることが決定されました。その後、幕府はこの条約の内容を精査し、樺太の国境画定問題は再び未解決のままとなりました。

影響とその後の展開

日露間樺太島仮規則は、樺太の国境が未解決の状況が続いたことを示す重要な歴史的因子となり、樺太は再び両国における共有地としての扱いを受けました。この交渉の結果、1869年には小出が再度報告を行い、国境の未決定の理由として、ロシアの提案に対する通告と日本の主張が受け入れられなかった背景が指摘されました。

その後、樺太は日露混住地として扱われ、両国の関係は複雑なものとなっていきました。このように、日露間樺太島仮規則は両国の緊張関係や国境問題の一端を示しており、近代日本の外交史において重要な役割を果たしました。

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