旧登米高等尋常小学校校舎

旧登米高等尋常小学校校舎

宮城県登米市登米町寺池に位置する旧登米高等尋常小学校校舎は、1888年（明治21年）に建てられた木造二階建ての歴史的建造物です。コの字型の特徴的な形状を持ち、国の重要文化財に指定されています。この建物は、明治期の学校建築の変遷を知る上で貴重な存在であり、当時の教育の様子を今に伝える資料館として一般公開されています。

建築の特徴

校舎は、コの字型に配置された二階建ての木造建築で、コの字の内側には吹き抜けの片廊下が設けられています。正面玄関の上にはバルコニーが設置され、外壁は下見板張り、屋根は寄棟造で瓦葺きという特徴を持っています。この建築様式は、1870年代の擬洋風建築とは異なり、和風と洋風の要素を巧みに組み合わせた和洋折衷のデザインとなっています。

歴史

1980年代半ばには、地元の登米中学校の建て替え工事期間中、一時的に仮校舎として使用されました。その後、1989年（平成元年）から教育資料館として一般公開され、当時の教室が再現されたり、戦前の教育に関する貴重な資料が展示されています。また、映画のロケ地としても利用され、その歴史的な景観が多くの人々を魅了しています。

周辺環境

旧登米高等尋常小学校校舎の周辺には、警察資料館や蔵の資料館、水沢県庁記念館など、明治期の官庁舎（官公衙建築）が数多く残っており、一帯は「みやぎの明治村」と呼ばれています。これらの建物群は、明治時代の雰囲気を色濃く残しており、歴史散策を楽しむことができます。

アクセス

仙台駅前から東日本急行の仙台 - とよま線高速バスに乗車し、「とよま明治村」バス停で下車すると、旧登米高等尋常小学校校舎へアクセスできます。

詳細情報

所在地: 宮城県登米市登米町寺池桜小路6
構造形式: 木造、二階建て、桟瓦葺
建築面積: 841.7平方メートル
建築年代: 1888年（明治21年）
重要文化財指定年月日: 1981年6月5日

その他

関連施設: 後身の登米市立登米小学校校舎（鉄筋コンクリート造、4階建、陸屋根）が隣接しています。
* ロケ地: 映画「エクレール・お菓子放浪記」のロケ地としても利用されました。

旧登米高等尋常小学校校舎は、その美しい建築と、当時の教育の様子を伝える貴重な資料を通じて、明治時代の歴史と文化を今に伝える重要な文化財です。

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