旧造幣寮鋳造所正面玄関

旧造幣寮鋳造所正面玄関

旧造幣寮鋳造所正面玄関（きゅう ぞうへいりょうちゅうぞうしょ しょうめんげんかん）は、大阪市北区の大川沿いに位置し、造幣寮（現在の造幣局）に関連する重要な建築物です。この玄関は、国に指定された重要文化財として貴重な存在であり、近代建築の中でも特に古い施設の一つです。

歴史的背景

この建物は1871年（明治4年）、トーマス・ウォートルスの設計によって完成しましたが、当初の造幣寮としての機能は1927年（昭和2年）に老朽化に伴って終了しました。その際、正面玄関の石材は保存され、1935年（昭和10年）には明治天皇記念館の正面玄関として復元されました。

戦後、この建物は桜宮公会堂として利用され、1950年には大阪市立図書館が2階部分に移転しました。1956年には国の重要文化財に指定され、1961年には市立図書館が桜宮図書館と改称されました。1980年に図書館は廃館となり、1984年には大阪市教育委員会によるユースアートギャラリーに改装されましたが、2007年にはその役割が終了しました。2012年秋からは民間によってレストランとして一般公開されています。

建築の特徴

この正面玄関は、青竜山石を使ったトスカナ様式の6本の列柱が特徴的で、上部にはペディメントと呼ばれる三角形の切妻屋根があります。屋根は銅板葺きの一重切妻造で、正面の両側には円形アーチ狙の窓も設けられています。また、建物の内部構成も変遷を遂げており、当初は1階が講堂、2階が陳列室でしたが、後にユースアートギャラリーとしても利用されました。現在、この建物は日本の近代遺産50にも選ばれ、旧桜宮公会堂として2014年度のグッドデザイン賞も受賞しています。

アクセスと所在地

所在地は大阪市北区天満橋1丁目にあり、国道1号（曽根崎通）の桜宮橋西詰をすぐの場所に位置しています。アクセスは非常に便利で、JR東西線の大阪城北詰駅または大阪天満宮駅から徒歩での移動が可能です。

参考文献

• - 「建築と社会」第18輯第21號（発行:日本建築協会、1935年12月）
• - 「大阪市の文化財」（監修:大阪市教育委員会、発行:大阪市文化財協会、1997年）

このように、旧造幣寮鋳造所正面玄関は大阪市における歴史的かつ文化的な意義を持つ建築物として多くの人々に親しまれています。

もう一度検索