早合

早合（はやごう）についての詳細

早合とは、火縄[[銃]]をはじめとする前装式銃の装填効率を向上させるために開発された「弾薬包」です。日本では戦国時代後期から安土桃山時代にかけて使用されており、その特徴的な形状と便利さから、当時の兵士たちにとって欠かせないアイテムとなっていました。

早合の構造

早合は木材、竹、革、または紙といった材料を漆で強化し、筒状に成形された構造をしています。内部には底から順に弾丸と火薬が収納されており、上部は弾の直径よりも狭くデザインされています。これにより、弾と火薬がしっかりと固定され、装填時の操作性が向上しています。早合の開口部は、革製のたんぽ、木製の栓、あるいはキャップ状の蓋で塞がれているため、火薬漏れを防ぐ役割も果たしています。

装填方法

早合を用いて火縄[[銃]]に装填を行う際は、まず蓋を外し、その後立てた銃の銃口に早合を持ち寄ります。火薬と弾を一気に銃口から流し込み、槊杖を使って薬室にしっかりと押し込む形で進めます。この操作を熟練者は18〜20秒で完了させることができ、通常の装填時間の38〜40秒よりも速く行えます。

持ち運びに関しては、早合を「胴乱（どうらん）」と呼ばれるポーチに入れるか、紐で数珠繋ぎのように肩から袈裟懸けにするなどの方法が一般的でした。この携行方法により、必要な時に迅速に弾薬を取り出せるようになっていました。

海外における早合の類似品

日本の早合と似たような概念が西欧でも存在しました。16世紀末には「ペーパーカートリッジ」という名の早合に類似した製品が出現しました。ペーパーカートリッジは火薬と弾を紙で包み、使用時には弾の入っていない端を噛み破って火薬を装填し、その後、槊杖で弾と紙を押し込む仕組みだったのです。

火縄[[銃]]の時代には、西欧では多数の木製早合を2本の細紐で繋ぎ、ベルトに吊るして袈裟懸けに携行していました。しかし、フリントロック時代に入ると、火薬と弾をソーセージ状に包んだペーパーカートリッジをポーチに入れて持ち運ぶスタイルが主流となりました。この流れは19世紀半ばのパーカッション時代まで続きました。

さらに、コーカサス地方の男性用民族衣装であるチョハには、胸に鉛筆状に整列した木製カートリッジ「Gazyr」が並ぶデザインが見受けられます。これらは、地域によって異なる装填スタイルや道具の使用があったことを映し出しています。

関連項目

• - 紙製薬莢

早合は、火縄[[銃]]の進化において重要な役割を果たし、当時の戦闘スタイルや技術力を示す興味深い道具と言えるでしょう。

もう一度検索