明るい農村

明るい農村

『明るい農村』（あかるいのうそん）は、1963年4月1日から1985年3月31日までNHK総合テレビで放送されていたドキュメンタリー番組で、全8030回に及んだ。独自の視点で近代農業に関するテーマを取り扱い、日本各地の農村を取材したこの番組は、多くの視聴者に親しまれ、「農業」を身近に感じさせる一因となった。

放送の特色

番組の特徴的な点は、初期のモノクロ放送から1971年4月6日以降に段階的にカラー放送へと移行したことである。特に1971年10月4日からはほぼ全ての放送がカラー化され、視覚的にも視聴者を楽しませる内容となった。ただし、火曜日と木曜日を除いてのカラー化は当初遅れていたこともあり、当番組はNHK総合テレビの中で最も長く白黒放送が続いた番組の一つでもあった。

番組の概要

『明るい農村』は、さまざまな農業の試みやテーマを、社会の変化や時代背景に応じて提案してきた。1968年4月7日からは、日曜日に『明るい漁村』（あかるいぎょそん）というタイトルで番組を放送したこともある。さらに、1968年度には夕方放送への再放送も行われていた。これにより、視聴者は多方面から農業の情報を得ることができた。

農業に関する情報提供

NHKは、放送開始以前にも1948年から1952年まで『インフォメーションアワー 新しい農村』や1957年から1960年まで『のびゆく農村』、さらにその後の『村の記録』など、農業に特化した番組を数多く製作してきた。その中で『村の記録』は『明るい農村』のコーナーの一部としても続けられ、多くの情報が視聴者に届けられた。また、農業協同組合（JA）や漁業協同組合（JF）から委託された「農林漁業通信員」が、ラジオで農業の情報を発信しており、2021年にはその制度も「ふるさと通信員」と改称され、活動を継続している。

放送スケジュール

放送は、初期には月曜日から土曜日の朝6時20分から40分が一般的な時間設定であったが、1966年からは少しの変更が加えられ、1982年には日曜も含めた新しいスケジュールに移行した。このような変更を経て、最終的には1984年から1985年3月まではさらに早朝に改訂され、毎日放送される形となった。

番組の音楽

音楽面では、番組のテーマ曲を最初に広瀬量平が手がけ、その後は三枝成彰が引き継いだ。この変更は1982年まで続き、番組の雰囲気を盛り上げる役割を果たした。

関連項目

この番組には、大学生の頃にリポーターを務めた大島さと子のような著名な出演者も存在し、NHKの後継番組である「にっぽん列島朝いちばん」や、関連する農業番組で名を馳せたものも多い。これらの番組は、『明るい農村』の流れを受け継ぎつつ、今もなお農業に対する関心を高めるきっかけとなっている。

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