明石要一

明石 要一（あかし よういち）

教育学者。1948年1月17日、大分県に生まれる。千葉大学名誉教授、千葉敬愛短期大学学長として教育界に貢献。専門は教育社会学、中でも青少年教育・文化の研究に重きを置く。

来歴

大分県で育ち、奈良教育大学を卒業。その後、東京教育大学大学院に進学し、修士課程を修了、博士課程は単位を取得し満期退学した。教育研究者としてのキャリアは千葉大学教育学部から始まり、助手、講師、助教授を歴任。1993年には教授に昇任し、長年にわたり教鞭を執る。2013年に定年退職し、名誉教授の称号を得た。

公的な活動

大学での教育・研究活動に加え、国の教育政策にも関与した。2003年には文部科学省中央教育審議会のスポーツ青少年分科会および生涯教育分科会の臨時委員を務め、教育行政における専門的知見を提供。2010年に千葉県で開催された「ゆめ半島千葉国体」では、大会式典委員長および大会広報委員長として運営に深く関わった。さらに、2017年には第9期中央教育審議会委員に任命され、国の重要な教育政策に関する審議に参画した。

研究姿勢と専門分野

明石要一氏の研究活動の中心は、子どもたちの成長と彼らを取り巻く社会、特に青少年文化の領域にある。「子どもを逞しく育てたい」という強い思いから、この分野の研究に熱心に取り組んできた。従来の教育学における固定化・画一化された考え方にとらわれず、新たな視点から子どもや教育の問題に切り込む姿勢が特徴である。大学での講義も、学校の社会学、子ども文化論、教育社会学演習など、多岐にわたり、そのユニークな内容は学生からも注目を集めた。

特に興味深い研究テーマの一つとして、「長嶋学」の創設が挙げられる。読売ジャイアンツの元監督である長嶋茂雄氏の熱心なファンであり、長嶋氏を単なる野球選手としてではなく、教育や文化の視点から分析・研究する「長嶋学」という独自の分野を立ち上げたことは、その型破りな研究姿勢を示すエピソードと言える。

主な著書

多岐にわたる研究成果は、多くの著作として発表されている。主な著書には以下のようなものがある。

『戦後の子ども観を見直す』（明治図書、1995年）
『出てこい子ども社会の「仕切り屋」』（明治図書、1999年）
『子ども理解のウォッチング技術』（明治図書、2002年）
『学級の集団的機能を見直す』（明治図書、2002年）
『子どもの漫画読解力をどう見るか』（明治図書、2004年）
『データが語る平成の子ども気質』（明治図書、2004年）
『子どもの放課後改革はなぜ必要か』（明治図書、2005年）
『キャリア教育はなぜ必要か』（明治図書、2006年）
『独立法人大学改革―学部長“守旧派”と闘う』（明治図書、2007年）
『子どもの規範意識を育てる』（明治図書、2009年）

これらの著書は、青少年教育や子ども文化に関する氏の研究成果や提言を知る上で重要な文献となっている。

関連情報

所属した千葉大学、専門分野である教育社会学、関与した第65回国民体育大会などが関連事項として挙げられる。また、SNSなどを通じて情報発信も行っている。

もう一度検索