星の散歩

漫画短編集『星の散歩』

『星の散歩』は、日本の漫画家・藤末さくらによる短編集で、そのタイトル作を含むいくつかの短編が収められています。この短編集は、愛や喪失、思い出といったテーマが扱われ、読者の心に深く響く作品となっています。

収録作品

この短編集には、以下の短編が収められています。

• - プレゼント （『マリカ』 2008年6月号）
• - 猫ぐらし （『BE・LOVE増刊 ねこぞう』 2008年春号）
• - 五丁目の夢屋敷 （『BE・LOVE』 2009年10号）
• - 五丁目のおんなのこ （『BE・LOVE』 2010年1号）
• - 星の散歩 （『BE・LOVE』 2011年2号）
• - あの星 （『マリカ』 2008年7月号）

各短編のあらすじ

プレゼント

この作品は、誕生日を忘れた彼氏に怒りを抱く主人公・カナの姿から始まります。彼の謝罪の電話を無視し、バイト仲間と楽しく飲むカナ。しかし、翌朝彼からの電話に出たことで、彼の訃報を知ることに。感情の葛藤と急な別れが、彼女の心にどのような影響を与えるのか、深い思索を促します。

猫ぐらし

作者自身の体験をもとにしたこのショートエッセイは、自宅の庭先で衰弱した野良猫を救うまでの物語です。保護した猫との生活を通して、命の大切さや、愛情がもたらす変化を描いています。

五丁目の夢屋敷

保育園で働く夢野晴花は、奇妙な力を持っています。父を看取るというつらい経験を経て、彼女が向き合うのは、過去の自分とその後の人生。彼女の内面的な成長と葛藤が重要なテーマとなっています。

五丁目のおんなのこ

突然夫を失った悦子が、彼を思い出しながらも前に進む決意をする物語です。悦子は、前述の晴花と同級生で、作品を通して両者の繋がりが描かれる部分も興味深いです。

星の散歩

理不尽な家族の扱いに不満を抱える祐花が妹と共に出会った衰弱した猫との物語です。飼うことを反対されつつも、夜中にこっそりこっそり猫にエサを与える祐花の姿が、本作の感情の根本を成しています。このエピソードは、悲劇的な運命を迎えた猫との心温まる交流を描いており、愛と喪失を強く感じさせます。

あの星

このショートコミックは、少女時代の思い出をテーマにした作品で、こんぺいとうが登場し、懐かしい感情を呼び起こす素晴らしいストーリーとなっています。

書誌情報

本書『星の散歩』は、藤末さくらが手掛けたもので、講談社から2011年3月15日に発売されました。ISBNは978-4-06-380311-2です。物語のひとつひとつが、心に残る感情を豊かに描き出しており、ぜひ手に取っていただきたい作品です。

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