星谷寺 (徳島県勝浦町)

星谷寺: 神秘の寺院

星谷寺（しょうこくじ）は、徳島県勝浦町星谷にある高野山真言宗の寺院で、別名は「星の岩屋」として知られています。この寺院の本尊は十一面観音であり、四国八十八箇所の第19番札所である立江寺の奥の院としても機能しています。また、阿波秩父観音霊場の第7番札所でもあります。周辺地域は東山渓県立自然公園に指定されており、阿波勝浦八景の一つに数えられています。

歴史の背景

星谷寺は792年（延暦11年）に空海によって創設されたと伝えられています。現在は住職が不在の空寺となっていますが、鶴林寺がこの寺を管理しています。空海はこの地において、霊的な力をもって悪星を地上に引き下ろし、その星を封じ込めることで、地域の人々に災難が訪れないようにしたとされています。伝説によれば、悪星は石に変わり、この岩は信仰の対象として祀られています。

星の岩屋

星谷寺は本寺から北へ約2.6kmの地点に位置しており、狭い道を車で進む必要があります。境内に向かう参道の手前には数台分の駐車スペースが用意されています。ここには、悪星にまつわる伝説が多く残されており、いくつかの石仏や祠が境内に点在しています。特に興味深いのは不動之滝で、裏見の滝とも呼ばれ、その滝の岩壁には不動明王が刻まれています。また、岩屋の近くでは、約30mの高さの岩場に「定ヶ窟不動尊」があり、樹齢450年の巨木の裏側には「樟ノ木不動尊」が存在します。

さらに、道路脇にある洗心之滝のそばには「先心之滝不動尊」と称される石仏も見られます。星の岩屋での納経や御影の授与は、鶴林寺で引き受けられています。

主要な建築物

寺院内にはいくつかの重要な建物があります。まず、本堂では本尊の十一面観音坐像を拝むことができます。大師堂では弘法大師の像が祀られ、両脇には大黒天や白髭稲荷大明神の像が並んでいます。他にも岩屋禅学堂や庫裡があり、訪れる人々に静かな心の平安を提供しています。

仏陀石と仏蹟山

星の岩屋から西へ約1.4km進むと、「仏陀石」と呼ばれる聖なる岩に出会えます。看板によると、弘法大師がこの場所に訪れた際、山の上に光輝くものを見つけ、その後帯同した人々とともに73体の石仏を刻んだとされます。この仏陀石の納経は妙音寺と法性寺で行われています。さらに、仏蹟山には阿波秩父観音霊場の番外にあたる仏石庵があります。

交通アクセス

アクセスについては、JR徳島駅から徳島バス勝浦線の「中角」で下車後、徒歩約40分、または車の場合は約10分で到着します。また、徳島自動車道の徳島ICからは国道11号・55号を経由して、小松島市方面に向かうと約25kmの距離に位置しています。

星谷寺は歴史と神秘が交錯する場所であり、多くの訪問者にとって心の拠り所となっています。

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