星野好男

星野好男（ほしの よしお）氏は、1950年11月2日に栃木県日光市で生まれた、日本の元アイスホッケー選手です。ポジションはセンターフォワード（CF）。現役時代は日本代表の中心選手として輝かしい活躍を見せ、引退後は指導者、さらにはプロ野球球団の経営者としても手腕を発揮した、多才な経歴の持ち主です。

地元の日光高校（現在の栃木県立日光明峰高校）で基礎を築き、明治大学へ進学。在学中からその実力が認められ、全日本代表に選出されました。特に印象的なのは、わずか21歳という日本代表史上最年少での、1972年札幌オリンピック出場です。若くして世界の舞台に立ち、貴重な経験を積みました。

大学を卒業した1973年、国土計画株式会社（後のコクド）に入社。ここから日本アイスホッケーリーグでの長いキャリアが始まりました。国土計画所属時には、カナダのブリティッシュコロンビア大学へアイスホッケー留学を経験し、プレーの幅を広げました。リーグでは中心選手として得点を量産し、1987年には日本リーグ史上初となる通算450得点を達成するという、歴史的な金字塔を打ち立てました。また、日本代表としても長年にわたり活躍し、主将を務めた経験もあります。冬季オリンピックには3回、世界選手権には14回も出場するなど、国際舞台における日本のエースとして常にチームを牽引しました。1988年に現役を引退するまで、日本リーグでは通算185得点、266アシストを記録し、得点王には2度輝いています。その圧倒的な得点力とリーダーシップは、当時の日本アイスホッケー界にとって欠かせない存在でした。

現役引退後、星野氏は指導者の道に進み、1988年から1991年まで全日本代表の監督を務めました。選手としての豊富な経験を活かし、後進の育成に力を注ぎました。

さらに、星野氏はアイスホッケー界にとどまらず、異分野でのキャリアをスタートさせます。西武グループが所有するプロ野球球団、西武ライオンズのフロントに入り、経営に携わるようになりました。1994年には広報部長に就任し、球団の顔としてメディア対応などに尽力。その後は球団代表補佐を経て代表に昇進し、球団運営の中枢を担いました。そして、2004年には当時のオーナーであった堤義明氏の後任として、球団の最高責任者であるオーナー代行兼社長に就任。2006年までその重責を担い、プロ野球界という全く異なる舞台でも卓越した経営手腕を発揮しました。

現在は、西武グループの中核企業である株式会社プリンスホテルの顧問を務めています。

星野好男氏は、日本アイスホッケー界における伝説的な選手であり、指導者でもあります。加えて、プロ野球界で球団経営のトップを歴任したというそのキャリアは極めて異例であり、多方面でリーダーシップを発揮した人物として、日本のスポーツ界に大きな足跡を残しています。

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