星野芳樹

星野芳樹 (ほしの よしき)

星野芳樹は1909年に東京で生まれ、1992年に83歳で亡くなった、昭和期の著名なジャーナリスト及び政治家です。彼は1期の参議院議員としても知られています。彼の人生は多彩で、様々な分野での貢献が記録されています。

経歴

星野は東京市小石川区で星野光多牧師の三男として誕生しました。初等教育を経て、早稲田中学校から静岡高等学校文科に進学しましたが、1931年には日本共産党に加盟し、左翼運動に関与します。1933年には検挙されて入獄し、そのため静岡高校を中退することを余儀なくされました。1940年に恩赦で出獄後、上海に渡り、上海自然科学研究所のメンバーとなります。

1941年には容海語学校を設立し、後に容海小学校や容海忠学校も設立。これにより在留日本人に対する教育的支援を行い、彼はその指導的存在となりました。終戦後は上海自治会において教育班長や代表委員を務め、1946年に日本に帰国しました。

帰国後、星野は在外同胞帰還促進連盟を設立し、海外での抑留者の帰還運動を促進しました。1947年4月には参議院議員に立候補し当選、以降1期在任することになります。その後、1950年の選挙では労働者農民党から立候補するも落選しました。

1949年から群馬県沼田市に移住し、1954年には静岡新聞社の非常勤論説委員に任命されました。1970年には同社の編集主幹に就任し、国際的な視野を持つ執筆活動を行いました。1974年には静岡新聞社を退職し、社外論説委員へと移行。その後、妻と共にケニア・ナイロビに移住し、ここで日本アフリカ文化交流協会を設立しスワヒリ語学院（星野学校）を創設しました。

1985年には春の叙勲で勲三等旭日中綬章を受章しましたが、1987年に病気によって日本に帰国します。最終的に1992年に他界し、その際には正五位に叙されました。

著作

星野はその豊かな経験を活かした著作を多数残しています。主な著書には以下があります：

• - 『上海路地裏の人々』 (1947年、世界社)
• - 『共産主義卒業之記：思想の遍歴とわが半生』 (1948年、土佐書房)
• - 『アジア・アフリカ紀行』 (1959年、講談社)
• - 『動乱のアフリカを行く』 (1965年、ダイヤモンド社)
• - 『いろいろな民族さまざまな生きかた』 (1971年、静岡新聞社)
• - 『アフリカの指導者：アフリカわが心の友だち』 (1978年、ブロンズ社)
• - 『星野芳樹自伝：静岡からナイロビへ』 (1986年、リブロポート)

彼の著作は、彼の経験と観察をもとにした深い洞察を提供しています。

親族

星野芳樹の兄には、著名な大蔵官僚であり貴族院議員でもある星野直樹がいます。

星野芳樹の生涯は、政治、教育、文化の領域において多くの人々に影響を与え、彼の活動と著作は今なお多くの人に引用されることが多いです。彼の歩みは、戦乱の時代における日本人としての覚悟や、国際的な視野を持った活動の重要性を示しています。

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