星野鉄太郎

星野鉄太郎は、天保8年12月3日（1837年12月29日）に駿河国安倍郡駿府屋形町（現在の静岡県静岡市葵区）に生まれ、明治42年（1909年）4月17日に生涯を閉じました。幕末期には駿府町奉行与力として幕府に仕え、明治維新後は地方行政にその手腕を発揮しました。

明治5年（1872年）に静岡県に出仕し、富士郡長、安倍郡長、榛原郡長を歴任しました。特に郡長としては、地域住民の生活向上に尽力し、その実績は高く評価されています。明治22年（1889年）5月13日には、初代静岡市長に就任し、明治35年（1902年）4月17日までその任を務めました。市長としては、都市計画やインフラ整備に力を注ぎ、近代都市としての静岡の礎を築きました。また、明治34年（1901年）からは静岡漆工学校長も兼任し、後進の育成にも貢献しました。

政治家としては、明治35年（1902年）の第7回衆議院議員総選挙に当選し、衆議院議員を2期務めました。国政の場においても、地方自治の経験を活かし、地域発展のための政策提言を行いました。その活動は、当時の日本における地方自治の重要性を示唆するものとして、今日でも注目されています。

星野鉄太郎は、地方行政官、教育者、政治家として多岐にわたる分野で活躍しました。幕末から明治にかけての激動期において、地域社会の発展と近代化に尽力し、その功績は今もなお高く評価されています。

親族には、東京高等商業学校（現一橋大学）教授を務めた息子、星野太郎がいます。

参考文献

山田万作『岳陽名士伝』1891年。
『新選代議士列伝』金港堂、1902年。

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