春の砂漠

『春の砂漠』について

『春の砂漠』は、人気作家・平岩弓枝が1986年から1987年にかけて『週刊サンケイ』に連載した小説であり、1988年に文藝春秋から出版されました。この作品は、日本テレビ系列で1988年4月から7月にかけて放送されたテレビドラマの原作でもあります。ドラマは全13回で構成され、家族の複雑な愛情や葛藤を表現しています。

あらすじ

物語は三姉妹の複雑な関係から始まります。長女の鏡子（演：檀ふみ）は父親の連れ子で、次女の香代（演：名取裕子）は母親の連れ子、三女の秀（演：国生さゆり）は両親が再婚して生まれた子です。物語の中で、鏡子は敏腕商社マンの夫・頌一郎（演：杉浦直樹）の海外出張先で香代と偶然出会い、衝撃を受けます。この出来事が香代の心に影響を及ぼし、彼女は気を紛らわせるために秀を誘ってチュニジアへ逃避行を決意します。そこでは、俵介（演：林隆三）という男性と出会い、秀は彼に惹かれますが、香代も彼に惹かれていくのです。この二重の愛の葛藤がストーリーを引き立て、観る者を引き込んでいきます。

製作背景

『春の砂漠』は、1988年4月16日から始まった日本テレビの「土曜グランド劇場」において、クイズ番組からドラマへの編成替えによって放送されました。このドラマは、元NHKのプロデューサーである近藤晋が総合プロデュースを担当し、NHKから退職したばかりの深町幸男が初めて民放ドラマの演出を手掛けた作品です。そのため、これまでの日本テレビのドラマとは異なるアプローチが見られ、当時の視聴者には新鮮な印象を与えました。

出演者

ドラマのキャストには、以下の俳優陣が名を連ねています。

• - 伊原香代役：名取裕子（子役：大塚ちか子）
• - 楯俵介役：林隆三
• - 緒方鏡子役：檀ふみ（子役：岸雅）
• - 伊原秀役：国生さゆり（子役：米沢由香）
• - 緒方頌一郎役：杉浦直樹
• - 今井利夫役：山下規介
• - その他、多数の出演者が豪華に揃っています。

スタッフ

ドラマの製作チームには、脚本家の宮川一郎、香取俊介、岡本克己、そして演出家の深町幸男、北嶋隆、山本厚が参加しています。また、音楽を手がけたのは桑原研郎で、ドラマの雰囲気を一層引き立てています。主題歌は、加藤登紀子の「愛さずにはいられない」で、彼女自身が作詞・作曲を行い、船山基紀が編曲を担当しました。

『春の砂漠』は、視聴者に深い感動を与える作品であり、複雑な人間関係と愛情を描いた物語として高い評価を受けています。 なお、この作品は日本テレビのドラマとしても特異な存在で、後に続く作品にも影響を与えました。

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