春日一平

春日 一平

春日 一平（かすが いっぺい）氏は、1951年3月7日に大分県で誕生した元プロ野球選手です。現役時代は捕手としてダイヤモンドに立ち、西鉄ライオンズ、そしてその後球団名が変更された太平洋クラブライオンズでプレーしました。彼の実弟である春日祥之輔氏もまた、プロ野球の世界に進んだ人物です。

高校時代の奮闘

大分県立中津工業高等学校に進学した春日氏は、野球部で捕手として活躍しました。特に、同期のエースとして名を馳せた大島康徳氏（後にプロ野球で打者として大成）とバッテリーを組み、チームの要として期待を集めました。彼らは共に甲子園出場を目指し、県内の強豪校としのぎを削りました。

しかし、甲子園への道は険しいものでした。

1967年秋季の九州大会大分県予選では、準決勝まで駒を進めたものの、同年の春の選抜で優勝を飾った津久見高校（大田卓司氏らが在籍）に阻まれ、決勝進出はなりませんでした。
続く1968年春季の九州大会大分県予選でも、再び準決勝で敗退。この時は高田高校に敗れています。
* 同年夏の県予選でも惜しくも甲子園出場は叶わず、結局、在学中に聖地の土を踏むことはありませんでした。

プロ野球の世界へ

高校での野球生活を終えた春日氏は、1968年秋に行われたプロ野球ドラフト会議において、西鉄ライオンズから5位指名を受けました。この指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせることとなります。

プロ入り後は、層の厚い捕手陣の中で出場機会を伺いました。当時のライオンズには、宮寺勝利氏ら実力のある捕手がおり、一軍定着への道は容易ではありませんでした。プロ3年目の1970年には一軍への昇格を果たし、捕手として8試合に出場する経験を積みました。しかし、レギュラーの座を奪うまでには至らず、この後も一軍に継続的に出場することは難しかったようです。

現役引退とその後

選手としての一軍出場機会が限られる中、春日氏はチームを支えるために、選手としてだけでなく、球団の裏方業務も兼任する時期がありました。マネージャーのような役割も担いながら、チームに貢献しました。

そして、1977年シーズンを最後に、プロ野球選手としての現役生活にピリオドを打ちました。およそ9年間のプロ生活でした。

背番号と球団の変遷

春日氏がプロ生活で背負った番号は二つあります。プロ入りから1975年までの「46」と、現役最後の2年間、1976年と1977年に付けた「64」です。また、所属球団は、彼が在籍していた期間中に名称変更がありました。入団時の西鉄ライオンズが、1973年に太平洋クラブライオンズとなったため、両球団のユニフォームに袖を通したことになります。

春日一平氏のプロ野球人生は、輝かしい記録こそ多くはありませんが、高校時代にエースを支え、プロの世界で一軍の舞台を経験し、選手としてだけでなく裏方としてもチームに尽力した、その軌跡は確かです。大分県が生んだプロ野球選手の一人として、また兄弟で球界に進んだ人物として、その名前は語り継がれています。

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