春風 (初代神風型駆逐艦)

春風 (初代)

神風型駆逐艦（初代）の9番艦として建造された「春風」は、大日本帝国海軍に所属した駆逐艦である。後に同名の二代目「春風」が登場したため、区別のために初代春風あるいは春風Iなどと呼称されることもある。

本艦は、明治38年（1905年）2月15日に製造番号第9号として命名され、翌16日には兵庫県神戸市の川崎造船所で起工された。同年12月20日には駆逐艦籍に類別され、12月25日に無事進水した。年が明けた明治39年（1906年）4月15日に竣工を迎えた。

就役後、本艦は第一次世界大戦期において重要な役割を担った。特にシンガポール方面での警備活動に従事し、その任務を遂行した。長い年月の任務を経て、大正13年（1924年）12月1日には掃海艇として新たな役割を与えられ、編入された。しかし、その活動も終焉を迎え、昭和3年（1928年）4月1日をもって海軍籍から除籍された。同年7月6日には、正式な艦名ではなく「廃駆逐艦第14号」という仮称が付与され、翌昭和4年（1929年）1月31日にその船体を廃された。

「春風」には、就役から廃船までの期間、多くの海軍士官が艦長または掃海艇長として着任した。歴代の艦長は以下の通りである。

歴代艦長

駆逐艦長

金子忠吉 大尉：1906年4月27日 - 1906年12月20日
小泉親治 大尉（兼任）：1906年12月20日 - 1907年1月18日
上瀧羽金 大尉：1907年1月18日 - 1907年12月18日
佐久間勉 大尉：1907年12月18日 - 1908年4月20日
吉永武之 大尉（兼任）：1908年4月20日 - 1908年9月25日
石川庄一郎 大尉：1908年9月25日 - 1908年12月23日
吉永武之 大尉（兼任）：1908年12月23日 - 1909年2月1日
石川庄一郎 大尉：1909年2月1日 - 1910年4月28日
田辺栄次郎 大尉：1910年4月28日 - 1910年12月1日
森岡喜作 大尉：1910年12月1日 - 1911年12月1日
市村久雄 大尉：1911年12月1日 - 1913年12月1日
村上正之助 大尉：1913年12月1日 - 1915年12月13日
坪井丈左衛門 大尉：1915年12月13日 - 1917年8月23日
畠山義赴 大尉：1917年8月23日 - 1919年12月1日
佐倉武夫 大尉：1919年12月1日 - 1921年12月1日
横山茂 大尉：1921年12月1日 - 1922年1月10日
杉山六蔵 大尉：1922年1月10日 - 1922年12月1日
山口常太郎 大尉：1922年12月1日 - 1923年5月10日
長谷部喜蔵 大尉：1923年5月10日 - 1924年12月1日

掃海艇長

床井春吉 大尉：1924年12月1日 - 1926年2月1日
* 森本信一 少佐：1926年2月1日 - 1926年12月1日

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