昭和残侠伝 破れ傘

映画『昭和残侠伝 破れ傘』の概要

『昭和残侠伝 破れ傘』は、1972年12月30日に公開された日本映画で、監督を務めるのは佐伯清、主演に高倉健が名を連ね、製作は東映が手がけました。この作品は「昭和残侠伝」シリーズの第9作であり、シリーズの最終作としての位置づけとなっています。

あらすじ

郡山での采女祭では、天神濱組が主催する東北最大の花会が盛況に開催される。この場に全国の親分たちが集まる中、新参の寺津組の寺津力松が恥をかかされ、両者の関係が険悪になってしまう。その矢先、力松の義兄弟である花田秀次郎が3年ぶりに出所し、寺津組の仲間として再登場する。力松は秀次郎に何も知らずに旅に出てほしいと願うが、彼は天神濱組に助っ人として参戦し、親分の政太郎に重傷を負わせ、物語は急展開を迎える。

4年後、秀次郎は新潟で大親分・時雨弥三郎の前で名を語る銀二郎を助け、その心意気が認められ、徐々に時雨の親分と親しい関係を築いていく。一方、秀次郎はお栄に似た女性と出会うが、結局探し求めていたお栄ではなかった。そんな折、寺津組が軍の名の下に女性を売り飛ばす現場に遭遇し、秀次郎はその行為に疑問を抱き、郡山へと戻ろうと決意する。

郡山では状況が一変していた。寺津組は天神濱組に対して攻勢を強めており、鬼首組の妹と結婚した力松は強力なバックアップを得ていた。鬼首組は寺津組を使って天神濱組を壊滅させ、さらには寺津組を捨て石として利用し、自身の権力を確立しようと画策する。

そんな中、重吉という男が天神濱組からかたぎに転向し、酒屋で杜氏を務めていた。秀次郎は重吉との関係を再考し、彼が負った傷を癒す姿を見つめるが、その妻が探していたお栄であることが判明する。お栄は秀次郎を追い求めて旅に出たが、彼の死を聞かされ、重吉と夫婦になっていたのだ。秀次郎は再び旅立つ決意を固める。

その後、事件は続き、秀次郎が新潟で助けた女工たちが殺されるという衝撃の出来事が起こる。さらに天神濱組の二代目が寺津組に射殺され、情勢はますます緊迫する。秀次郎は再び郡山に舞い戻り、重吉との因縁が再燃し、二人の抗争が避けられないものとなる。

クライマックス

抗争の激化を受け、両組は時雨弥三郎の仲介で手打ち式を計画する。しかし、寺津組の意向に反発しつつも、秀次郎が義兄弟の盃を返すと提案することで合意に至る。しかし、鬼首組は時雨の親分を狙った陰謀を巡らし、暗殺を計画するなど、さらなる混迷を見せる。

仁義を欠いた鬼首の振る舞いに対して、秀次郎は単独で鬼首一家へ攻撃を仕掛ける決意をする。雪降る中、重吉も共に立ち向かうことを申し出、二人は共闘する。

結論

『昭和残侠伝 破れ傘』は、友情や裏切り、暴力に満ちた人間ドラマを通じて、昭和の時代背景を色濃く描いた作品です。高倉健をはじめとする豪華キャストに加え、迫力のあるアクションが作品を通じて展開され、視聴者に強い印象を残すことでしょう。

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