昭和館

昭和館：戦中戦後の歴史を伝える国立博物館

昭和館は、東京都千代田区九段南に位置する、厚生労働省所管の国立博物館です。日本遺族会が運営を担っており、戦中戦後の国民生活における苦労や経験を、後世に伝えることを目的として1999年に開館しました。

設立の経緯

昭和館の設立は、1979年に日本遺族会から戦没者遺児への慰霊を目的とした記念館建設の要望が出されたことが発端です。この要望をきっかけに、戦中戦後の国民生活の苦難を後世に伝えるため、関係各所からの意見を聞きながら計画が進められました。当初は「戦没者遺児記念館」という仮称でしたが、検討を重ねた結果、現在の名称に決定し、1998年に竣工しました。建設費は厚生省（当時）の予算に計上されました。

建物の特徴と設計

昭和館の設計は、東大寺の正倉院をモチーフとしています。貴重な資料を長期間保存するために、自然光を極力遮断する設計となっており、窓は少なく、外装には耐久性の高いチタンパネルが用いられています。このチタンパネルは、建物の外観を美しく保つ上で重要な役割を果たしており、建設から20年以上経った現在でもその美観は損なわれていません。

施設概要

昭和館は地上7階建ての建物で、様々な施設が配置されています。

1階: 総合案内、資料公開コーナー、懐かしのニュースシアターなど、来館者を迎えるための施設が集中しています。
2階: 広々とした多目的スペース「ひろば」があり、イベントなどに利用されています。
3階: 企画展展示室があり、時代やテーマに合わせた企画展が開催されています。
4階: 図書室があり、関連書籍の閲覧が可能です。
5階: 映像・音響室があり、映像や音声資料を閲覧することができます。
6階・7階: 常設展示室があり、戦中戦後の国民生活に関する貴重な資料が展示されています。2017年には、この常設展示室がリニューアルされました。

アクセス

昭和館へのアクセスは非常に便利です。地下鉄東西線、新宿線、半蔵門線の九段下駅4番出口からすぐの場所にあります。JR飯田橋駅から徒歩約10分というアクセスも可能です。

昭和館の役割

昭和館は、単なる博物館にとどまらず、戦中戦後の日本社会の貴重な記録を後世に伝える重要な役割を担っています。展示資料や企画展を通して、過去の歴史を学び、未来への教訓とする場として、多くの人々に利用されています。また、図書室や映像・音響室といった施設を通して、より深く歴史を学ぶ機会も提供しています。

まとめ

昭和館は、戦中戦後の国民生活を伝える国立博物館として、その歴史的意義と役割を担っています。貴重な資料、快適な施設、そして便利なアクセスを備え、多くの人々に開かれた施設となっています。一度訪れて、日本の歴史の一端に触れてみることをお勧めします。

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